療養病棟入院基本料 「医療区分③:処置等に係る医療区分2:(1)(2)のいずれにも該当」の評価ポイント【R8.6診療報酬改定対応】

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※本記事は「医科点数表の解釈 令和8年6月版」を基にしています。

療養病棟に入院する患者の医療区分やADL区分は、療養病棟入院基本料の算定に直結する重要な評価です。

そのため、入院患者ごとに毎日これらの区分を確認し、「医療区分・ADL区分等に係る評価票」に正確に記録することになっています。

また、その評価を行う際には、「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を基準として用いることになっています。

この記事では、この手引きに基づき、「医療区分③:処置等に係る医療区分2:(1)(2)のいずれにも該当」の項目を分かりやすく解説し、現場での評価のポイントを整理します。

医療区分・ADL区分の評価は、必ず「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を理解した上で行いましょう。

目次

医療区分「処置等に係る医療区分2:(1)(2)のいずれにも該当」の算定要件と評価・判断基準

医療区分「処置等に係る医療区分2:(1)(2)のいずれにも該当」の算定要件と評価・判断基準について解説します。

算定期限(算定上限日数までを限度)・医療区分3に該当

【処置等に係る医療区分③】処置等に係る医療区分2:(1)(2)のいずれにも該当

分類医療区分算定期間評価の単位
処置等医療区分3算定上限までを限度1日毎

医療区分「処置等に係る医療区分2:(1)(2)のいずれにも該当」は、処置等に係る医療区分に分類され、算定上限日数までを限度とされています。

医療区分の定義(医科点数表の解釈での記載事項)

医療区分「処置等に係る医療区分2:(1)(2)のいずれにも該当」は、医科点数表の解釈において以下のように記載されています。


3. 処置等に係る医療区分2(別表第五の三)のうち、別表第五の三のニの(1)及び(2)のいずれにも該当するもの

項目の定義
別表第五の三のニに定める処置等のうち、(1)及び(2)のいずれにも該当するもの
評価の単位
1日毎
留意点
本項目でいう別表第五の三のニに定める処置等のうち、(1)及び(2)のいずれにも該当するものとは、

(1)に掲げる

・肺炎に対する治療
・尿路感染症に対する治療
・脱水に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対して実施するものに限る。)
・頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態に限る。)
・経鼻胃管及び胃瘻等の経腸栄養(発熱又は嘔吐を伴う状態の患者に対して行うものに限る。)

のいずれか及び(2)に掲げる

・褥瘡に対する治療(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められる場合に実施するものに限る。)
・末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療
・創傷(手術創や感染創を含む。)、皮膚潰瘍又は下腿若しくは足部の蜂巣炎、膿等の感染症に対する治療
・中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心静脈栄養を開始した日から三十日を超えて実施するものに限る。)(療養病棟入院基本料を算定する場合に限る。)
・人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法
・気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対して行うものを除く。)

のいずれかの双方に該当するものをいう。(1)に掲げる処置等のうち、本紙において算定上限日数が定められている場合は、算定上限日数までの間のみ、当該項目に該当するものとする。

リンクをクリックすると、関連用語の説明を確認できます。


医療区分の算定要件・確認事項

医療区分の評価に間違いがないように、以下の点に注意しましょう。

① 別表第五の三のニに定める処置等のうち、以下の項目のいずれかへの該当を確認

別表第五の三のニに定める処置等のうち、以下の項目のいずれかへの該当を確認します。

  • 肺炎に対する治療
  • 尿路感染症に対する治療
  • 脱水に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対して実施するものに限る。)
  • 頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態に限る。)
  • 経鼻胃管及び胃瘻等の経腸栄養(発熱又は嘔吐を伴う状態の患者に対して行うものに限る。)

② 「①」に加えて、以下の項目のいずれに該当することを確認

「①」に加えて、以下の項目のいずれに該当することを確認します。

  • 褥瘡に対する治療(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められる場合に実施するものに限る。)
  • 末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療
  • 創傷(手術創や感染創を含む。)、皮膚潰瘍又は下腿若しくは足部の蜂巣炎、膿等の感染症に対する治療
  • 中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心静脈栄養を開始した日から三十日を超えて実施するものに限る。)(療養病棟入院基本料を算定する場合に限る)
  • 人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法
  • 気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対して行うものを除く。)

③ 算定日数の考え方

「①」「②」の双方に該当することで算定が可能です。

ただし、「①」に掲げる処置等の中で、算定上限日数が定められている場合には、算定上限日数までの期間が算定できる期間になります。

医療区分の該当要件に当てはまるかを確認し、算定期間の要件に注意して評価票に記入をすることが大切です。

判断・評価のチェックポイント

評価のチェックポイントを確認して、評価ミスや記入漏れがないようにしましょう。

① 該当要件のチェックポイント

該当要件のチェックポイント
(1)に掲げるいずれかの項目に該当する。

・肺炎に対する治療
・尿路感染症に対する治療
・脱水に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対して実施するものに限る。)
・頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態に限る。)
・経鼻胃管及び胃瘻等の経腸栄養(発熱又は嘔吐を伴う状態の患者に対して行うものに限る。)
(1)に掲げるいずれかの項目に該当し、(2)に掲げる項目のいずれかに該当する。

・褥瘡に対する治療(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められる場合に実施するものに限る。)
・末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療
・創傷(手術創や感染創を含む。)、皮膚潰瘍又は下腿若しくは足部の蜂巣炎、膿等の感染症に対する治療
・中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心静脈栄養を開始した日から三十日を超えて実施するものに限る。)(療養病棟入院基本料を算定する場合に限る)
・人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法
・気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対して行うものを除く。)

② 算定期間のチェックポイント

算定期間のチェックポイント
1日毎に評価を行っている。
(1)に掲げる処置等の中で、算定上限日数が定められている場合にはその期間が算定期間になる。

他の医療区分を確認する
※クリックすると開きます。

≪評価の手引き≫

≪処置等に係る医療区分≫

【算定期間に限りのある医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

【算定期間に限りのない医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

≪疾患・状態に係る医療区分≫

【算定期間に限りのある医療区分】

[医療区分2(別表第五の三)]

【算定期間に限りのない医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

≪ADL区分≫

≪身体的拘束の実施≫

医療区分は入院基本料にどう影響するのか?

療養病棟入院基本料を算定する療養病棟では、入院患者の医療区分・ADL区分の評価を行い、それをもとに入院料が決定する仕組みになっています。

入院患者の医療区分・ADL区分の評価

医療区分は「入院患者の医療必要度」を評価したもので、その評価によって「医療区分1、医療区分2、医療区分3」のいずれかに決定されます。

医療の必要度低い高い
医療区分医療区分1医療区分2医療区分3

ADL区分は「入院患者の介護必要度」を評価したもので、その評価によって「ADL区分1、ADL区分2、ADL区分3」のいずれかに決定されます。

介護の必要度低い高い
ADL区分ADL区分1ADL区分2ADL区分3

医療区分・ADL区分による入院料の決定

療養病棟入院基本料は30分類に分かれていて、医療区分とADL区分の組み合わせによって、入院料1~入院料30までのいずれかになる仕組みになっています。

医療区分とADL区分の組み合わせは、

  • 疾患・状態に係る医療区分1・2・3
  • 処置等に係る医療区分1・2・3
  • ADL区分1・2・3

上記の3つを組み合わせた27分類に、「スモンに関する3分類」を加えた計30分類の入院料になっています。


( 疾患・状態の医療区分1~3 × 処置等の医療区分1~3 × ADL区分1~3 )
+
スモン3分類

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

( 3 × 3 × 3 ) + 3 = 27 + 3 = 30分類の入院料

[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

[令和8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合について、Excelシートをnoteにて公開中です。

「医療区分2・3の割合|Excelシート」では、以下の4シートをひと月分として、入力を行っていきます。

① 割合シート

「割合シート」では、医療区分2・3の割合を求めます。

≪主な入力項目≫

  • 患者氏名
  • 日々の入院料
  • 前月、前々月の医療区分2・3の総数
  • 前月、前々月の延べ患者数

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • その月の最大入院数、最小入院数、延べ患者数、重症度割合
  • 直近3ヵ月の重症度割合
  • 入院料1~30の総数
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

② 分類シート

「分類シート」では、入院患者の医療区分を分類します。

≪主な入力項目≫

  • ADL区分(その月の主な区分)
  • 算定した医療区分(疾患・状態)(処置等)の内容

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • 医療区分(疾患・状態)の分類(%表示)
  • 医療区分(処置等)の分類(%表示)
  • 医療区分(疾患・状態)と医療区分(処置等)を合わせた分類(%表示)
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

③ 拘束シート

「拘束シート」では、身体的拘束の実施割合を計算します。

≪主な入力項目≫

  • 身体的拘束を実施した日
  • 前月、前々月の身体的拘束を実施した日数
  • 前月、前々月の入院料算定日数

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • その月の身体的拘束の実施日数、入院料算定日数、身体的拘束の実施割合
  • 直近3ヵ月の身体的拘束の実施割合
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

④ 点数シート

「点数シート」では、入院料の件数に対しての診療報酬を計算します。

≪主な入力項目≫

  • 一般、生活療養における各入院料の数
  • 入院基本料1、入院基本料2、特別入院基本料の選択

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • 入院料別の診療報酬点数
  • 入院料の診療報酬の合計点数
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

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