療養病棟入院基本料 「医療区分⑮:A212の注1に規定する超重症の状態(15歳未満)」の評価ポイント【R8.6診療報酬改定対応】

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※本記事は「医科点数表の解釈 令和8年6月版」を基にしています。

療養病棟に入院する患者の医療区分やADL区分は、療養病棟入院基本料の算定に直結する重要な評価です。

そのため、入院患者ごとに毎日これらの区分を確認し、「医療区分・ADL区分等に係る評価票」に正確に記録することになっています。

また、その評価を行う際には、「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を基準として用いることになっています。

この記事では、この手引きに基づき、「医療区分⑮:A212の注1に規定する超重症の状態(15歳未満)」の項目を分かりやすく解説し、現場での評価のポイントを整理します。

医療区分・ADL区分の評価は、必ず「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を理解した上で行いましょう。

目次

医療区分「A212の注1に規定する超重症の状態(15歳未満)」の算定要件と評価・判断基準

医療区分「A212の注1に規定する超重症の状態(15歳未満)」の算定要件と評価・判断基準について解説します。

算定期限(なし)・医療区分3に該当

【処置等に係る医療区分⑮】A212の注1に規定する超重症の状態(15歳未満)

分類医療区分算定期間評価の単位
疾患・状態医療区分3期間に限りなし1日毎

医療区分「A212の注1に規定する超重症の状態(15歳未満)」は、疾患・状態に係る医療区分に分類され、算定上限日数に限りはありません。

医療区分の定義(医科点数表の解釈での記載事項)

医療区分「A212の注1に規定する超重症の状態(15歳未満)」は、医科点数表の解釈において以下のように記載されています。


15. A212超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注1に規定する超重症の状態(十五歳未満の小児患者に限る)

項目の定義
「A212」超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注1に規定する超重症の状態に該当する患者のうち、十五歳未満の小児患者。
評価の単位
1日毎
留意点
超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注1に規定する超重症の状態とは、別添6の別紙14に掲げる超重症児(者)の判定基準による判定スコアが25点以上であって、介助によらなければ座位が保持できず、かつ、人工呼吸器を使用する等、特別の医学的管理が必要な状態が6月以上継続している状態であることをいう。本項目は、このうち十五歳未満の小児患者の場合に該当するものとする。

リンクをクリックすると、関連用語の説明を確認できます。



他の医療区分を確認する
※クリックすると開きます。

≪評価の手引き≫

≪処置等に係る医療区分≫

【算定期間に限りのある医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

【算定期間に限りのない医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

≪疾患・状態に係る医療区分≫

【算定期間に限りのある医療区分】

[医療区分2(別表第五の三)]

【算定期間に限りのない医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

≪ADL区分≫

≪身体的拘束の実施≫

医療区分は入院基本料にどう影響するのか?

療養病棟入院基本料を算定する療養病棟では、入院患者の医療区分・ADL区分の評価を行い、それをもとに入院料が決定する仕組みになっています。

入院患者の医療区分・ADL区分の評価

医療区分は「入院患者の医療必要度」を評価したもので、その評価によって「医療区分1、医療区分2、医療区分3」のいずれかに決定されます。

医療の必要度低い高い
医療区分医療区分1医療区分2医療区分3

ADL区分は「入院患者の介護必要度」を評価したもので、その評価によって「ADL区分1、ADL区分2、ADL区分3」のいずれかに決定されます。

介護の必要度低い高い
ADL区分ADL区分1ADL区分2ADL区分3

医療区分・ADL区分による入院料の決定

療養病棟入院基本料は30分類に分かれていて、医療区分とADL区分の組み合わせによって、入院料1~入院料30までのいずれかになる仕組みになっています。

医療区分とADL区分の組み合わせは、

  • 疾患・状態に係る医療区分1・2・3
  • 処置等に係る医療区分1・2・3
  • ADL区分1・2・3

上記の3つを組み合わせた27分類に、「スモンに関する3分類」を加えた計30分類の入院料になっています。


( 疾患・状態の医療区分1~3 × 処置等の医療区分1~3 × ADL区分1~3 )
+
スモン3分類

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

( 3 × 3 × 3 ) + 3 = 27 + 3 = 30分類の入院料

[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

[令和8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合について、Excelシートをnoteにて公開中です。

「医療区分2・3の割合|Excelシート」では、以下の4シートをひと月分として、入力を行っていきます。

① 割合シート

「割合シート」では、医療区分2・3の割合を求めます。

≪主な入力項目≫

  • 患者氏名
  • 日々の入院料
  • 前月、前々月の医療区分2・3の総数
  • 前月、前々月の延べ患者数

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • その月の最大入院数、最小入院数、延べ患者数、重症度割合
  • 直近3ヵ月の重症度割合
  • 入院料1~30の総数
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

② 分類シート

「分類シート」では、入院患者の医療区分を分類します。

≪主な入力項目≫

  • ADL区分(その月の主な区分)
  • 算定した医療区分(疾患・状態)(処置等)の内容

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • 医療区分(疾患・状態)の分類(%表示)
  • 医療区分(処置等)の分類(%表示)
  • 医療区分(疾患・状態)と医療区分(処置等)を合わせた分類(%表示)
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

③ 拘束シート

「拘束シート」では、身体的拘束の実施割合を計算します。

≪主な入力項目≫

  • 身体的拘束を実施した日
  • 前月、前々月の身体的拘束を実施した日数
  • 前月、前々月の入院料算定日数

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • その月の身体的拘束の実施日数、入院料算定日数、身体的拘束の実施割合
  • 直近3ヵ月の身体的拘束の実施割合
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

④ 点数シート

「点数シート」では、入院料の件数に対しての診療報酬を計算します。

≪主な入力項目≫

  • 一般、生活療養における各入院料の数
  • 入院基本料1、入院基本料2、特別入院基本料の選択

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • 入院料別の診療報酬点数
  • 入院料の診療報酬の合計点数
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

医療区分「A212の注1に規定する超重症の状態(15歳未満)」に関連する用語

「A212超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注1に規定する超重症の状態」とは?

「A212 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算」は、令和8年8月版の医科点数表の解釈において、以下のように記載があります。

下記、引用文内の赤文字が「注1に規定する超重症の状態」になります。

【A212 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算:抜粋】

A212 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算(1日につき)

1 超重症児(者)入院診療加算

 イ 6歳未満の場合 800点

 ロ 6歳以上の場合 400点

2 準超重症児(者)入院診療加算

 イ 6歳未満の場合 200点

 ロ 6歳以上の場合 100点

注1 超重症児(者)入院診療加算は、保険医療機関に入院している患者であって、別に厚生労働大臣が定める超重症の状態にあるもの(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む。)又は第3節の特定入院料のうち、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、所定点数に加算する。

注2 準超重症児(者)入院診療加算は、保険医療機関に入院している患者であって、別に厚生労働大臣が定める準超重症の状態にあるもの(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む。)又は第3節の特定入院料のうち、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、所定点数に加算する。

令和8年8月版医科点数表の解釈

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「別添6の別紙14に掲げる超重症児(者)の判定基準による判定スコアが25点以上」とは?

[以下、医科点数表の解釈(令和6年6月版:p1441)を参考に記載]

下記判定基準において、判定スコアが25点以上のもの

超重症児(者)・準超重症児(者)の判定基準

以下の各項目に規定する状態が 6 か月以上継続する場合※1に、それぞれのスコアを合算する。

1.運動機能:座位まで
2.判定スコア(スコア)
 (1)レスピレーター管理※2=10
 (2)気管内挿管,気管切開= 8
 (3)鼻咽頭エアウェイ= 5
 (4)O2吸入又はSpO290%以下の状態が10%以上= 5
 (5)1 回/時間以上の頻回の吸引
   6 回/日以上の頻回の吸引
= 8
= 3
 (6)ネブライザ 6 回/日以上または継続使用= 3
 (7)IVH= 10
 (8)経口摂取(全介助)※3
   経管(経鼻・胃ろう含む)※3
= 3
= 5
 (9)腸ろう・腸管栄養※3
    持続注入ポンプ使用(腸ろう・腸管栄養時)
= 8
= 3
 (10)手術・服薬にても改善しない過緊張で、
   発汗による更衣と姿勢修正を 3 回/日以上
= 3
 (11)継続する透析(腹膜灌流を含む)= 10
 (12)定期導尿(3 回/日以上)※4= 5
 (13)人工肛門= 5
 (14)体位交換 6 回/日以上= 3

〈判 定〉

1 の運動機能が座位までであり、かつ、2 の判定スコアの合計が 25 点以上の場合を超重症児(者)、10 点以上 25 点未満である場合を準超重症児(者)とする。

※1

新生児集中治療室を退室した児であって当該治療室での状態が引き続き継続する児については、当該状態が 1 か月以上継続する場合とする。ただし、新生児集中治療室を退室した後の症状増悪、又は新たな疾患の発生についてはその後の状態が 6 か月以上継続する場合とする。

※2

毎日行う機械的気道加圧を要するカフマシン・NIPPV・CPAP などは、レスピレーター管理に含む。

※3

(8)(9)は経口摂取、経管、腸ろう・腸管栄養のいずれかを選択。

※4

人工膀胱を含む。

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「人工呼吸器」とは?

人工呼吸器とは、呼吸不全の患者の呼吸を人工的に助ける、または代行する医療機器です。

ガス交換を改善し、呼吸の負担を減らすことが主な目的です。

強制的に呼吸を管理するモードや自発呼吸を補助するモードがあり、病状や状況に応じて様々な種類の装置が使われます。

人工呼吸器の主な目的
呼吸の補助・代行自分の力で呼吸が困難な患者さんの代わりに呼吸を行います。
ガス交換の改善酸素を供給し、二酸化炭素を排出するガス交換を助けます。
呼吸仕事量の軽減呼吸に使う筋肉の負担を減らします。
肺を休ませる疾患の治療に専念するため、肺を休ませる時間を作ります。
主な種類
陽圧式人工呼吸器人工呼吸器から陽圧のガスを送り込み、肺を膨らませる方法です。現在主流のタイプで、マスクを使用する非侵襲的陽圧換気(NPPV)と、気管切開チューブや挿管チューブを使用する侵襲的陽圧換気(IPPV)があります。
陰圧式人工呼吸器過去にポリオなどの治療で使われた「鉄の肺」が有名で、胸郭の外から陰圧をかけて胸郭を広げ、呼吸を補助する方法です。
主な使用モード
強制換気モード患者の自発呼吸がない場合に、呼吸回数や空気の量を人工呼吸器側で規定して全てを管理するモードです。
補助換気モード患者の自発呼吸を維持しながら、人工呼吸器が呼吸を補助するモードです。

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