令和8年度 診療報酬改定において、療養病棟入院基本料に係る医療区分について見直しが行われます。
どのような改定になっているのかを確認しておきましょう。
目次
医療区分の見直し
- 処置等の医療区分2に複数該当する場合の医療資源投入量を踏まえ、感染症にかかる処置が、他の一部の処置と併せて行われている場合には、処置等に係る医療区分3の患者として入院料を算定することとする。
- 医療区分2の処置等のうち、(1)及び(2)のいずれにも該当するものは医療区分3で算定
(1)感染症の治療に係る処置
(2)創傷の治療に係る処置及び器具の管理等を伴う処置
- 医療区分2の処置等のうち、(1)及び(2)のいずれにも該当するものは医療区分3で算定
- 非がん疾患に対する緩和ケアを評価する観点から、悪性腫瘍以外にも、心不全、呼吸不全、腎不全で医療用麻薬等の薬剤投与による苦痛のコントロールが必要な状態について、疾患・状態に係る医療区分2に追加する。
- 末期呼吸器疾患(適切な治療が実施されているにもかかわらず、ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当し 、医療用麻薬等の投与によるコントロールが必要な状態に限る。)
- 末期心不全(器質的な心機能障害により、適切な治療が実施されているにもかかわらず、慢性的にNYHA重症度分類Ⅳ度の症状に該当し、頻回若しくは持続的に医療用麻薬の投与又はその他の点滴薬物療法による苦痛及び症状のコントロールが必要な状態に限る。)
- 末期腎不全(器質的な腎障害により、適切な治療が実施されているにもかかわらず、慢性的に日本腎臓学会慢性腎臓病重症度分類Stage G5以上に該当し、腎代替療法を必要とする状態であるが、透析療法の開始又は継続が困難である場合であって、医療用麻薬等の投与による苦痛のコントロールが必要な状態に限る。)
- 医療的ケア児の受入について評価する観点から、超重症児・準超重症児に該当する小児について、超重症児は疾患・状態に係る医療区分3に、準超重症児は医療区分2に追加する。
- 医療区分3:
区分番号A212に掲げる超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注1に規定する超重症の状態(15歳未満の小児患者に限る。) - 医療区分2:
区分番号A212に掲げる超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注2に規定する準超重症の状態(15歳未満の小児患者に限る。)
- 医療区分3:
| 疾患・状態 | 処置等 | |
|---|---|---|
| 医療区分3 | スモン 医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態 区分番号A212に掲げる超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注1に規定する超重症の状態(15歳未満の小児患者に限る。) | 中心静脈栄養(療養病棟入院基本料を算定する場合にあっては、広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻若しくは急性膵炎を有する患者を対象とする場合又は中心静脈栄養を開始した日から30日以内の場合に実施するものに限る) 二十四時間持続点滴 人工呼吸器の使用 ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄 気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る) 酸素療法(密度の高い治療を要する状態の患者に対するものに限る) 感染症の治療の必要性から実施する隔離室での管理 医療区分2の処置等のうち、(1)及び(2)のいずれにも該当するもの |
| 医療区分 2 | 筋ジストロフィー症 多発性硬化症 筋萎縮性側索硬化症 パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度の状態に限る。)) その他の指定難病等(スモンを除く。) 脊髄損傷(頸椎損傷を原因とする麻痺が四肢全てに認められる場合に限る。) 慢性閉塞性肺疾患(ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当する場合に限る。) 悪性腫瘍(医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合に限る。) 末期呼吸器疾患(適切な治療が実施されているにもかかわらず、ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当し 、医療用麻薬等の投与によるコントロールが必要な状態に限る。) 末期心不全(器質的な心機能障害により、適切な治療が実施されているにもかかわらず、慢性的にNYHA重症度分類Ⅳ度の症状に該当し、頻回若しくは持続的に医療用麻薬の投与又はその他の点滴薬物療法による苦痛及び症状のコントロールが必要な状態に限る。) 末期腎不全(器質的な腎障害により、適切な治療が実施されているにもかかわらず、慢性的に日本腎臓学会慢性腎臓病重症度分類Stage G5以上に該当し、腎代替療法を必要とする状態であるが、透析療法の開始又は継続が困難である場合であって、医療用麻薬等の投与による苦痛のコントロールが必要な状態に限る。) 消化管等の体内からの出血が反復継続している状態 他者に対する暴行が毎日認められる状態 区分番号A212に掲げる超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注2に規定する準超重症の状態(15歳未満の小児患者に限る。) | (1)感染症の治療に係る処置 肺炎に対する治療 尿路感染症に対する治療 脱水に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る) 頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る) 経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養(発熱又は嘔吐を伴う状態の患者に対するものに限る) |
| (2)創傷の治療に係る処置及び器具の管理等を伴う処置 褥瘡に対する治療(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められる場合に限る。) 末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療 創傷(手術創や感染創を含む。)、皮膚潰瘍又は下腿(たい)若しくは足部の蜂巣炎、膿(のう)等の感染症に対する治療 中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心静脈栄養を開始した日から30日を超えて実施するものに限る) 人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法 気管切開又は気管内挿管が行われている状態(発熱を伴う状態を除く) | ||
| (3)その他の処置 一日八回以上の喀痰(かくたん)吸引 頻回の血糖検査 酸素療法(密度の高い治療を要する状態を除く) せん妄に対する治療 うつ症状に対する治療 | ||
| (4)傷病等によるリハビリテーション(原因となる傷病等の発症後、三十日以内の場合で、実際にリハビリテーションを行っている場合に限る) | ||
| 医療区分 1 | 医療区分1 医療区分2・3に該当しない者 | |
求める医療区分2・3割合の見直し
療養病棟入院基本料2において求める医療区分2・3の患者の割合を、5割から6割に引き上げる。
現行
【療養病棟入院基本料2】
[施設基準]
当該病棟の入院患者のうち医療区分三の患者と医療区分二の患者との合計が五割以上であること。
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改定後
【療養病棟入院基本料2】
[施設基準]
当該病棟の入院患者のうち医療区分三の患者と医療区分二の患者との合計が六割以上であること。
[経過措置]
令和8年3月31日において現に療養病棟入院料2を届け出ている保険医療機関については、令和8年9月30日までの間に限り、基本診療料の施設基準等第5の3の(1)のハに該当するものとみなす。
医療区分2・3の患者の割合が6割以上になった背景
入院・外来医療等の調査・評価分科会 検討結果(とりまとめ):抜粋
入院料2の場合でも、医療区分2・3の患者が6割を超える施設がほとんどであることを踏まえ、基準を検討する余地があるのではないかとの意見があった。
療養病棟における医療区分2・3の算定日数
- 医療区分2・3に該当する入院料が算定された割合は以下のとおりであり、療養病棟入院料1・2ともにほとんどの施設で該当割合の基準を満たしていた。
- 療養病棟入院料2では、98%を超える施設で該当患者の割合が6割以上であった。

