療養病棟入院基本料 「医療区分⑪:頻回の血糖検査」の評価ポイント【R8.6診療報酬改定対応】

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※本記事は「医科点数表の解釈 令和8年6月版」を基にしています。

療養病棟に入院する患者の医療区分やADL区分は、療養病棟入院基本料の算定に直結する重要な評価です。

そのため、入院患者ごとに毎日これらの区分を確認し、「医療区分・ADL区分等に係る評価票」に正確に記録することになっています。

また、その評価を行う際には、「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を基準として用いることになっています。

この記事では、この手引きに基づき、「医療区分⑪:頻回の血糖検査」の項目を分かりやすく解説し、現場での評価のポイントを整理します。

医療区分・ADL区分の評価は、必ず「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を理解した上で行いましょう。

目次

医療区分「頻回の血糖検査」の算定要件と評価・判断基準

医療区分「頻回の血糖検査」の算定要件と評価・判断基準について解説します。

算定期限(検査日から3日間)・医療区分2に該当

【処置等に係る医療区分⑪】頻回の血糖検査

分類医療区分算定期間評価の単位
処置等医療区分2検査日から3日間1日毎

医療区分「頻回の血糖検査」は、処置等に係る医療区分に分類され、算定期間は検査日から3日間とされています。

医療区分の定義(医科点数表の解釈での記載事項)

医療区分「頻回の血糖検査」は、医科点数表の解釈において以下のように記載されています。


11. 頻回の血糖検査

項目の定義
頻回の血糖検査(1日3回以上の血糖検査が必要な場合に限る。)
評価の単位
1日毎
留意点
糖尿病に対するインスリン製剤又はソマトメジンC製剤の注射を1日1回以上行い、1日3回以上の頻回な血糖検査が必要な状態に限る。なお、検査日から3日間まで、本項目に該当するものとする。

リンクをクリックすると、関連用語の説明を確認できます。


医療区分の算定要件・確認事項

医療区分の評価に間違いがないように、以下の点に注意しましょう。

① 糖尿病の確認

糖尿病であることを確認します。

② 注射製剤の使用の確認

インスリン製剤、またはソマトメジンC製剤の注射を1日1回以上行っていることを確認します。

③ 血糖検査の確認

1日3回以上の血糖検査を実施している状態に限ります。

④ 継続日数の考え方

1日3回以上の血糖検査をした日から、3日間は本項目に該当します。

医療区分の該当要件に当てはまるかを確認し、算定期間の要件に注意して評価票に記入をすることが大切です。

判断・評価のチェックポイント

評価のチェックポイントを確認して、評価ミスや記入漏れがないようにしましょう。

① 該当要件のチェックポイント

該当要件のチェックポイント
糖尿病であり、インスリン製剤、またはソマトメジンC製剤の注射を1日1回以上行っている。
1日3回以上の血糖検査を実施している。
糖尿病についての各種検査を実施している。
頻回の血糖検査が必要な病態が確認され、経過記録に記載されている。
適切にインスリン製剤、ソマトメジンC製剤の内容・量が見直されている。
適切な血糖コントロールを得る努力がなされている。
十分なコントロールがなされている患者に対して、みだりに頻回の血糖検査が実施されていない。

② 算定期間のチェックポイント

算定期間のチェックポイント
1日毎に評価を行っている。
検査日から3日間は、本項目に該当する。                              

他の医療区分を確認する
※クリックすると開きます。

≪評価の手引き≫

≪処置等に係る医療区分≫

【算定期間に限りのある医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

【算定期間に限りのない医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

≪疾患・状態に係る医療区分≫

【算定期間に限りのある医療区分】

[医療区分2(別表第五の三)]

【算定期間に限りのない医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

≪ADL区分≫

≪身体的拘束の実施≫

医療区分「頻回の血糖検査」の記入例

医療区分「頻回の血糖検査」の記入例です。

記入例 ①

糖尿病患者で1日1回のインスリン製剤の注射を実施。

3日おきに1日3回の血糖検査を実施。

日付症状・治療評価票
11/1インスリン注射、血糖検査(3回)該当(1日目)
11/2インスリン注射該当(2日目)
11/3インスリン注射該当(3日目)
11/4インスリン注射、血糖検査(3回)該当(1日目)
11/5インスリン注射該当(2日目)
11/6インスリン注射該当(3日目)
11/7インスリン注射、血糖検査(3回)該当(1日目)
11/8インスリン注射該当(2日目)
11/9インスリン注射該当(3日目)

1日3回以上の血糖検査をした日から、3日間は本項目に該当します。

記入例 ②

糖尿病患者で1日1回のインスリン製剤の注射を実施。

週1回のみ、1日3回の血糖検査を実施。

日付症状・治療評価票
11/1インスリン注射、血糖検査(3回)該当(1日目)
11/2インスリン注射該当(2日目)
11/3インスリン注射該当(3日目)
11/4インスリン注射非該当
11/5インスリン注射非該当
11/6インスリン注射非該当
11/7インスリン注射、血糖検査(3回)該当(1日目)
11/8インスリン注射該当(2日目)
11/9インスリン注射該当(3日目)
11/10インスリン注射非該当
11/11インスリン注射非該当
11/12インスリン注射非該当

1日3回以上の血糖検査をした日から、3日間は本項目に該当します。


他の医療区分を確認する
※クリックすると開きます。

≪評価の手引き≫

≪処置等に係る医療区分≫

【算定期間に限りのある医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

【算定期間に限りのない医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

≪疾患・状態に係る医療区分≫

【算定期間に限りのある医療区分】

[医療区分2(別表第五の三)]

【算定期間に限りのない医療区分】

[医療区分3(別表第五のニ)]

[医療区分2(別表第五の三)]

≪ADL区分≫

≪身体的拘束の実施≫

医療区分は入院基本料にどう影響するのか?

療養病棟入院基本料を算定する療養病棟では、入院患者の医療区分・ADL区分の評価を行い、それをもとに入院料が決定する仕組みになっています。

入院患者の医療区分・ADL区分の評価

医療区分は「入院患者の医療必要度」を評価したもので、その評価によって「医療区分1、医療区分2、医療区分3」のいずれかに決定されます。

医療の必要度低い高い
医療区分医療区分1医療区分2医療区分3

ADL区分は「入院患者の介護必要度」を評価したもので、その評価によって「ADL区分1、ADL区分2、ADL区分3」のいずれかに決定されます。

介護の必要度低い高い
ADL区分ADL区分1ADL区分2ADL区分3

医療区分・ADL区分による入院料の決定

療養病棟入院基本料は30分類に分かれていて、医療区分とADL区分の組み合わせによって、入院料1~入院料30までのいずれかになる仕組みになっています。

医療区分とADL区分の組み合わせは、

  • 疾患・状態に係る医療区分1・2・3
  • 処置等に係る医療区分1・2・3
  • ADL区分1・2・3

上記の3つを組み合わせた27分類に、「スモンに関する3分類」を加えた計30分類の入院料になっています。


( 疾患・状態の医療区分1~3 × 処置等の医療区分1~3 × ADL区分1~3 )
+
スモン3分類

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

( 3 × 3 × 3 ) + 3 = 27 + 3 = 30分類の入院料

[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

[令和8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合について、Excelシートをnoteにて公開中です。

「医療区分2・3の割合|Excelシート」では、以下の4シートをひと月分として、入力を行っていきます。

① 割合シート

「割合シート」では、医療区分2・3の割合を求めます。

≪主な入力項目≫

  • 患者氏名
  • 日々の入院料
  • 前月、前々月の医療区分2・3の総数
  • 前月、前々月の延べ患者数

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • その月の最大入院数、最小入院数、延べ患者数、重症度割合
  • 直近3ヵ月の重症度割合
  • 入院料1~30の総数
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

② 分類シート

「分類シート」では、入院患者の医療区分を分類します。

≪主な入力項目≫

  • ADL区分(その月の主な区分)
  • 算定した医療区分(疾患・状態)(処置等)の内容

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • 医療区分(疾患・状態)の分類(%表示)
  • 医療区分(処置等)の分類(%表示)
  • 医療区分(疾患・状態)と医療区分(処置等)を合わせた分類(%表示)
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

③ 拘束シート

「拘束シート」では、身体的拘束の実施割合を計算します。

≪主な入力項目≫

  • 身体的拘束を実施した日
  • 前月、前々月の身体的拘束を実施した日数
  • 前月、前々月の入院料算定日数

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • その月の身体的拘束の実施日数、入院料算定日数、身体的拘束の実施割合
  • 直近3ヵ月の身体的拘束の実施割合
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

④ 点数シート

「点数シート」では、入院料の件数に対しての診療報酬を計算します。

≪主な入力項目≫

  • 一般、生活療養における各入院料の数
  • 入院基本料1、入院基本料2、特別入院基本料の選択

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • 入院料別の診療報酬点数
  • 入院料の診療報酬の合計点数
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

医療区分「頻回の血糖検査」に関連する用語

「血糖検査」とは?

血糖検査は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)を測定する検査です。

主な検査には、絶食後に測定する空腹時血糖値、食事の影響を調べる随時血糖値、一定量のブドウ糖を飲んでから血糖値の変動を調べる75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)などがあり、糖尿病の診断や管理に役立ちます。

空腹時血糖値
正常110mg/dL未満
正常高値(注意)100 〜 109mg/dL
境界型(糖尿病の疑い)110 〜 125mg/dL
糖尿病型(可能性が高い)126mg/dL以上
食後2時間血糖値
正常140mg/dL未満
境界型(糖尿病の疑い)140 〜 199mg/dL
糖尿病型(可能性が高い)200mg/dL

血糖検査ではHbA1c(ヘモグロビンA1c)も検査されます。

HbA1cは過去1〜2か月の血糖値の平均を反映する検査値で、血液中のヘモグロビンと結合したブドウ糖の割合をパーセントで示したものです。

血糖値が高いほど数値は高くなり、低いほど低くなります。

糖尿病の診断や血糖コントロールの指標として用いられ、検査直前の食事の影響を受けないため、長期的な血糖状態を正確に把握できます。

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)
正常5.6%未満
境界型(糖尿病予備群の可能性)5.6〜6.4%
糖尿病型(可能性が高い)6.5%以上

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