【令和8年度 診療報酬改定】「やむを得ない事情」における施設基準等に関する取扱いの見直し

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参考資料:厚生労働省HP 令和8年度診療報酬改定説明資料等について「令和8年度診療報酬改定の概要 6.入院(共通事項)」

令和8年度 診療報酬改定において、「やむを得ない事情」における施設基準等に関する取扱いが見直されました。

どのような改定になっているのかを確認しておきましょう。

目次

「やむを得ない事情」における施設基準等に関する取扱いの見直し

医療現場を取り巻く人手不足の状況下で、質の高い医療提供体制の維持と、そのための人材確保の取組みの両立を図る観点から、

  • 公共職業安定所
  • 無料職業紹介事業者
  • 適正認定事業者

を活用する等により、平時から看護職員確保の取組を行っているにもかかわらず、「やむを得ない事情」によって一時的に看護職員確保ができない場合について、看護職員の配置基準を柔軟化するとなっています。

現行

[施設基準(告示)]第一 届出の通則

二 届出に係るの内容と異なる事情が生じた場合には、速やかに届出の内容の変更を行わなければならない。

[施設基準(通知)] (概要)

  • 1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護職員の数に対する看護師の比率については、暦月で1か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動の場合は変更の届出を行わなくてもよい。

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改定後

[施設基準(告示)]第一 届出の通則

二 届出に係るの内容と異なる事情が生じた場合には、速やかに届出の内容の変更を行わなければならない。

[施設基準(通知)] (概要)

  • 1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護職員の数に対する看護師の比率については、暦月で1か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動の場合は変更の届出を行わなくてもよい。
  • 突発的で想定が困難な事象によりやむを得ない事情が生じ、1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護師及び准看護師の数に対する看護師の比率について、暦月で1か月を超える期間の1割以内の一時的な変動があった場合、次の全てに該当するときは、3か月を超えない期間に限り変更の届出を行わなくてもよい(1年に1回に限る。)
     
    • (1)公共職業安定所又は都道府県ナースセンター等の無料職業紹介事業を活用して看護職員の確保に係る取組を行っていること。やむを得ない事情が生じていない場合においても、看護職員の求人を行う場合には、公共職業安定所又は無料職業紹介事業の活用等の看護職員の確保に係る取組を行っていることが望ましい。
    • (2)民間職業紹介事業者を利用する場合においては、医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者認定制度による適正認定事業者を含むこと。
    • (3)当該医療機関が自ら採用情報をウェブサイトで公表する等、看護職員確保に係る取組を積極的に行っていることが望ましい。
    • (4)やむを得ない事情が生じた場合であって、一時的に看護職員の確保ができない場合においては、一部の看護要員へ過度な業務負担とならないよう、保険医療機関は看護要員の適正な労働時間管理を行い、体制の整備を図るよう努めること。

施設基準の届出の例

看護職員の確保に係る取組み
  • ハローワークまたは都道府県ナースセンター等の無料職業紹介事業を活用(民間職業紹介事業者を利用する場合は、適正認定事業者を活用)
  • 医療機関が自ら採用情報をウェブサイトで公表する等の看護職員確保に係る取組みを行うことが望ましい。

例 1. 8~10月の3ヵ月、看護要員数について1割以内の変動が生じた場合

例. 8~10月の3ヵ月、1日当たり勤務する看護要員の数について1割以内の変動が生じた場合

7月8月9月10月11月12月1月
 元の入院料を算定可能 ⇨ ⇨ ⇨ ⇨ ⇨ ⇨ ⇨
・8~10月:看護要員数1割以内の減少・11月以降は一時的な変動から回復
・9月に有効求人票を添付して報告

例 2. 8月以降、看護要員数について1割以内の変動が継続した場合

例. 8月以降、1日当たり勤務する看護要員の数について1割以内の変動が継続した場合

7月8月9月10月11月12月1月
 元の入院料を算定可能 ⇨ ⇨ ⇨ ⇨ ⇨ ⇨ ⇨入院料変更
・8月以降:看護要員数1割以内の減少 ⇨ ・11月以降も1割以内の減少が継続
・9月に有効求人票を添付して報告
・12月中に変更届

「医科点数表の解釈(令和6年6月版)」の記載事項

「医科点数表の解釈(令和6年6月版)」において、届出受理後の措置等における「届出の不要な一時的な変動」については、以下のような記載があります。

【第3 届出受理後の措置等:抜粋】

1 届出を受理した後において、届出の内容と異なった事情が生じ、当該施設基準を満たさなくなった場合又は当該施設基準の届出区分が変更となった場合には、保険医療機関の開設者は遅滞なく変更の届出等を行うものであること。また、病床数に著しい増減があった場合にはその都度届出を行うものであること。なお、病床数の著しい増減とは、病棟数の変更や、病棟の種別ごとの病床数に対して1割以上の病床数の増減があった場合等のことであるが、これに該当しない病床数の変更の場合であっても、病床数の増減により届出の基準を満たさなくなった場合には、当然、変更の届出は必要である。
 ただし、次に掲げる事項についての一時的な変動についてはこの限りではない。

(1)平均在院日数及び月平均夜勤時間数については、暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動

(2)医師と患者の比率については、暦月で3か月を超えない期間の次に掲げる範囲の一時的な変動

ア 医療法(昭和23年法律第205号)に定める標準数を満たしていることが届出に係る診療科の算定要件とされている場合
 当該保険医療機関における医師の配置数が、医療法に定める標準数から1を減じた数以上である範囲

イ 「基本診療料の施設基準等」第五のニの(1)のイの②の4、四の(1)のイの④及び六の(2)のイの⑤の場合
 常勤の医師の員数が、当該病棟の入院患者数に100分の10を乗じて得た数から1を減じた数以上

(3)1日当たり勤務する看護師及び准看護師又は看護補助者(以下「看護要員」という。)の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護師及び准看護師(以下「看護要員」という。)の数に対する看護師の比率については、暦月で1か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動。

(4)医療法上の許可病床数(感染症病床を除く。)が100床未満の病院及び特別入院基本料(月平均夜勤時間超過減算により算定する場合を除く。)を算定する保険医療機関にあっては、1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護職員の数に対する看護師の比率については、暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動。

(5)算定要件(一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡ(以下「重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡ」という。)の評価方法を用いる要件を除き、特定集中治療室管理料の施設基準のうち1の(12)及び3の(5)の要件を含む。)中の該当患者の割合については、暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動。

(6)算定要件中の紹介割合及び逆紹介割合については、暦月で3か月間の一時的な変動。

医科点数表の解釈(令和6年6月版)p1298

上記の引用文の中の青文字で示した箇所が、今回の改定に関係する部分だと考えられます。

(3)1日当たり勤務する看護師及び准看護師又は看護補助者(以下「看護要員」という。)の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護師及び准看護師(以下「看護要員」という。)の数に対する看護師の比率については、暦月で1か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動。

ただ、その直後の赤文字で示した箇所に、以下のような記載があります。

(4)医療法上の許可病床数(感染症病床を除く。)が100床未満の病院及び特別入院基本料(月平均夜勤時間超過減算により算定する場合を除く。)を算定する保険医療機関にあっては、1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護職員の数に対する看護師の比率については、暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動。

上記の記載から、医療法上の許可病床数(感染症病床を除く。)が100床未満の病院、及び、特別入院基本料(月平均夜勤時間超過減算により算定する場合を除く。)を算定する保険医療機関においては、変化がないことが確認できます。

  • 許可病床数(感染症病床を除く。)が100床未満の病院
  • 特別入院基本料(月平均夜勤時間超過減算により算定する場合を除く。)を算定する保険医療機関

上記のことを踏まえて、令和8年6月版の医科点数表の解釈の記載を確認しておくことが重要です。

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