令和8年度 診療報酬改定において、入院時食事療養に係る基準が一部見直されました。
どのような改定になっているのかを確認しておきましょう。
嚥下調整食の評価
入院時の食事療養の質の向上を図る観点から、入院時食事療養費に係る食事療養等の特別食加算の対象として、おいしく安全な食形態で適切な栄養量を有する嚥下調整食を新たに評価することとなります。
特別食加算 1食につき76円 (1日につき3食を限度)
二 入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養に係る特別食
疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づき提供された適切な栄養量及び内容を有する腎臓食、肝臓食、糖尿食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓食、脂質異常症食、痛風食、てんかん食、フェニールケトン尿症食、楓糖尿症食、ホモシスチン尿症食、ガラクトース血症食、治療乳、無菌食及び特別な場合の検査食(単なる流動食及び軟食を除く。)
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特別食加算 1食につき76円 (1日につき3食を限度)
二 入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養に係る特別食
(一) 治療食
疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づき提供された適切な栄養量及び内容を有する腎臓食、肝臓食、糖尿食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓食、脂質異常症食、痛風食、てんかん食、フェニールケトン尿症食、楓糖尿症食、ホモシスチン尿症食、ガラクトース血症食、治療乳、無菌食及び特別な場合の検査食(単なる流動食及び軟食を除く。)
(二) 嚥下調整食
摂食機能又は嚥下機能が低下した患者に対して、医師の発行する食事箋に基づき提供された適切な栄養量及び内容を有する嚥下調整食
- 加算の対象となる嚥下調整食は、
- 安全性と食欲を促す食感とを両立した食形態であり、
- 献立として、常食と同等の盛り付け、味や香り、適切な温度、栄養量に配慮されたものであること。
- 定期的に多職種によるミールラウンドを行い、嚥下調整食の必要性等を確認し、常食が適している場合は、速やかに食事変更を行うこと。
- 検食が毎日行われるとともに、定期的に多職種による試食会やカンファレンスが開催されていること。
- 責任者は、一定の要件を満たした実習を伴う研修を修了した当該保険医療機関の管理栄養士であること。
責任者は、管理栄養士である必要があります。
特別料金の支払を受けることができる食事の見直し
基本メニュー以外のメニューを準備するためにかかる追加的な費用について標準額を削除し、保険医療機関が柔軟に妥当な額を設定できることとなります。
患者の自由な選択と同意に基づき、行事食やハラール食等の宗教に配慮した食事を提供した場合も、特別の料金の支払いを受けることができることを明確化します。
主な要件
- 特別メニューの食事の提供に際しては、患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意に基づいて行われる必要があり、患者の意に反して特別メニューの食事が提供されることのないようにしなければならないものであり、患者の同意がない場合は通常の食費の支払を受けることによる食事(以下「標準食」という。)を提供しなければならない。
[要点]- 患者の意に反して特別メニューの食事を提供しない。
- 患者の同意がない場合は「標準食」を提供する。
- 特別メニューの食事は、通常の食費では提供が困難な高価な材料を使用し特別な調理を行う場合や標準食の材料と同程度の価格であるが、異なる材料を用いるため別途費用が掛かる場合などであって、その内容が通常の食費の額を超える特別の料金の支払を受けるのにふさわしいものでなければならない。なお、患者のニーズに応じて、行事食やハラール等の宗教に対応した食事を提供した場合も含まれる。また、特別メニューの食事を提供する場合は、当該患者の療養上支障がないことについて、当該患者の診療を担う保険医の確認を得る必要がある。なお、複数メニューの選択については、あらかじめ決められた基本となるメニューと患者の選択により代替可能なメニューのうち、患者が後者を選択した場合に限り、基本メニュー以外のメニューを準備するためにかかる追加的な費用として、保険医療機関が設定した社会的に妥当な額の支払を受けることができること。この場合においても、入院時食事療養又は入院時生活療養の食事の提供たる療養に当たる部分については、入院時食事療養費及び入院時生活療養費が支給されること。
[要点]- 特別食は、標準食を超える特別料金を支払うのにふさわしい内容にする。
- 患者のニーズに応じた行事食・ハラール等の宗教食への対応も特別食になる。
- 特別食の提供には、保険医の確認が必要。
- 複数メニューの選択では、患者が代替可能メニューを選択した場合に限り、妥当な額の追加費用の徴収が可能。
- 当該保険医療機関は、特別メニューの食事を提供することにより、それ以外の食事の内容及び質を損なうことがないように配慮する。
- 栄養補給量については、当該保険医療機関においては、患者ごとに栄養記録を作成し、医師との連携の下に管理栄養士又は栄養士により個別的な医学的・栄養学的管理が行われることが望ましい。
