令和8年度診療報酬改定における「B001-3 生活習慣病管理料(Ⅰ)」の改定の概要をまとめました。
改定の概要を踏まえて、必要な準備を行っていただけたらと思います。
「B001-3-3 生活習慣病管理料(Ⅱ)」の改定の概要については、下の記事をご参照ください。

B001-3 生活習慣病管理料(Ⅰ)について改定の概要
① 在宅自己注射管理料の算定
「糖尿病を主病」として生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定している場合は、以下に挙げた薬剤以外に対する在宅自己注射指導管理料が別に算定可能になります。
- インスリン製剤
- グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニスト
- インスリン・グルカゴン様ペプチド-1(インスリン・GLP-1)受容体アゴニスト配合剤
- チルゼパチド製剤
② 眼科医療機関連携強化加算、歯科医療機関連携強化加算の新設
「糖尿病を主病」とする患者に対して、眼科または歯科を標榜する他の保険医療機関との連携を行う場合の評価が新設されます。
- 眼科医療機関連携強化加算(60点・年1回)
- 歯科医療機関連携強化加算(60点・年1回)
両加算の算定は、「ア」「イ」のいずれの算定要件を満たす場合であって、「イ」を行った日に算定します。
眼科医療機関連携強化加算(60点・年1回)の算定要件
眼科医療機関連携強化加算(60点・年1回)の算定要件は以下の通りです。
| 算定要件 | ||
|---|---|---|
| 情報提供先医療機関の標榜科 | 眼科 | |
| 診療の必要性を認める内容 | 糖尿病合併症の予防、診断または治療を目的とする眼科診療の必要性 | |
| 算定要件 | ア | 眼科を標榜する他の保険医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の情報提供を行う。その際、患者と相談の上、眼科診療の必要性を十分に説明し、受診予定日を定める。 |
| イ | 次回の診療時に当該他の保険医療機関への受診状況について確認し、その内容についてカルテに記載する。なお、当該他の保険医療機関から、診療状況を示す文書の提供があった場合は、当該文書をカルテに添付する。 | |
糖尿病を主病とする患者
糖尿病合併症の予防、診断または治療を目的とする眼科診療の必要性
⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
- 眼科へ診療状況を示す文書を添えて情報提供
- 眼科診療の必要性を説明し、患者と相談の上、受診予定日を決定
⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
- 眼科へ受診状況を確認、カルテに記載する
- 眼科から診療状況を示す文書の提供があった場合には、文書をカルテに添付する
※「イ」を行った日に算定
歯科医療機関連携強化加算(60点・年1回)の算定要件
歯科医療機関連携強化加算(60点・年1回)の算定要件は以下の通りです。
| 算定要件 | ||
|---|---|---|
| 情報提供先医療機関の標榜科 | 歯科 | |
| 診療の必要性を認める内容 | 歯周病の予防、診断または治療を目的とする歯科診療の必要性 | |
| 算定要件 | ア | 歯科を標榜する他の保険医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の情報提供を行う。その際、患者と相談の上、歯科診療の必要性を十分に説明し、受診予定日を定める。 |
| イ | 次回の診療時に当該他の保険医療機関への受診状況について確認し、その内容についてカルテに記載する。なお、当該他の保険医療機関から、診療状況を示す文書の提供があった場合は、当該文書をカルテに添付する。 | |
糖尿病を主病とする患者
歯周病の予防、診断または治療を目的とする歯科診療の必要性
⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
- 歯科へ診療状況を示す文書を添えて情報提供
- 歯科診療の必要性を説明し、患者と相談の上、受診予定日を決定
⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
- 歯科へ受診状況を確認、カルテに記載する
- 歯科から診療状況を示す文書の提供があった場合には、文書をカルテに添付する
※「イ」を行った日に算定
③ 「疑義解釈の送付について(その1):令和6年3月28日付」で示された内容が追加
R8年度診療報酬改定において、下記内容が通知に明記されます。
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した月に、管理料(Ⅰ)の算定日と別日であっても、生活習慣のために診療を行った場合、管理料(Ⅰ)に包括されている医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用は算定できない。
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)の算定日と別日に、外来管理加算の算定要件を満たせば当該加算は算定できる。
上記内容の明記については、「疑義解釈の送付について(その1):令和6年28日付」において、以下のように疑義解釈がなされています。
問136
生活習慣病管理料(Ⅰ)について、「第2章第1部医学管理等(区分番号B001の 20 に掲げる糖尿病合併症管理料、区分番号B001の 22 に掲げるがん性疼痛緩和指導管理料、区分番号B001の 24 に掲げる外来緩和ケア管理料、区分番号B001の 27 に掲げる糖尿病透析予防指導管理料及び区分番号B001の 37 に掲げる慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く。)、第3部検査、第6部注射及び第 13 部病理診断の費用は、生活習慣病管理料(Ⅰ)に含まれるものとする。」とされているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、生活習慣病のために診療を行った場合に、医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用は算定可能か。
(答)不可。
引用元:疑義解釈の送付について(その1):令和6年28日付
問133
生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)に、外来管理加算の費用は含まれるものとされているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定した患者に対して診療を行った場合に、外来管理加算を算定することは可能か。
(答)外来管理加算の算定要件を満たせば可能。
引用元:疑義解釈の送付について(その1):令和6年28日付
④ 療養計画書の様式の変更
初回と継続に分かれていた療養計画書の様式が「別紙様式9」に統一され、患者署名欄が削除されます。
ただし、概ね4月に1回以上計画書を交付する取扱いに変更はありません。
生活習慣病管理料.png)
⑤ 専門医療機関への紹介の要件化
関連学会の定める紹介基準や、地域の糖尿病性腎症重症化予防の取り組み等も踏まえて、患者の状態に応じて、適切に専門医療機関への紹介を行うことが要件とされます。
⑥ 次回受診日についての要件が追加
| 予約診療の有無 | 次回の受診日 |
|---|---|
| 予約診療をしている | 患者と相談の上、次回受診日を予約 |
| 予約診療をしていない | 患者と相談の上、次回受診日を決定 |
※予約診療の有無にかかわらず、次回の受診日を決める必要があります。
⑦ 血液検査等は「6月に1回以上」の実施
原則として、必要な血液検査等を少なくとも「6月に1回以上」は行うことになります。
ただし、他の医療機関で実施した血液検査等の結果を参照できる場合等は、必ずしも検査を行う必要はありません。
その際、当該検査等の結果をカルテに記録することが求められます。
⑧ 血糖自己測定指導加算の算定要件の追加
血糖自己測定指導加算を算定する際の「患者へ給付または貸与するもの」に皮下グルコース用電極が追加されます。
皮下グルコース用電極(センサー)とは?
皮下グルコース測定用電極(センサー)は、皮膚下に留置して間質液中の糖濃度を連続的に測定する小型デバイスです。
| 特徴と機能 | |
|---|---|
| 構造 | 小型・軽量なセンサーを上腕の皮下に装着し、15分〜5分おきに自動で糖値を記録 |
| 仕組み | 電極周辺の組織間質液中のグルコース濃度を酵素電極法(グルコース酸化酵素)で測定 |
| 利便性 | 針を刺して血液を採る必要がなく、日常生活(入浴を含む)のままで測定可能 |
| データ確認 | スマホアプリや専用リーダーをセンサーにかざす(スキャンする)ことで、その時点の数値と推移グラフを確認 |
⑨ 生活習慣病予防の取り組みについての要件が追加
特定健康診査や健康診断の結果、医療機関での治療や精密検査が必要と判定された者に対する診療を実施するなど、保険者、都道府県、市町村等が実施する地域の生活習慣病の早期発見および重症化予防のための取り組みとの連携を行うことが施設基準要件とされます。
生活習慣病の早期発見または重症化予防のための取り組み
特定健康診査や健康診断の結果
治療や精密検査が必要と判定された者
⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
診療の実施
⑩ 外来データ提出加算の見直し・充実管理加算への変更
外来データ提出加算の見直しが実施され、「充実管理加算」に変更になります。
「充実管理加算1、2、3」の施設基準は、以下のようになっています。
表内における注釈(※1~3)
- ※1
当該保険医療機関において、各疾患を主病として生活習慣病管理料(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定する患者について、実績値を求めるための割合に基づき算出される、届出時点における直前の、厚生労働省保険局医療課が別途通知する集計期間の実績値が、充実管理加算の届出を行う保険医療機関全体のうち、上位20%または50%である(当該保険医療機関において、集計期間中に各疾患を主病として生活習慣病管理を行った患者数が10人以上である場合に限る)。 - ※2
2026年3月31日において、現に生活習慣病管理料(Ⅰ)または生活習慣病管理料(Ⅱ)の外来データ提出加算の届出を行っている医療機関については、2027年3月31日までの間に限り、充実管理加算1に規定する各疾病の管理について、十分な実績を有しているとの基準を満たしているものとする。
充実加算1、2は新たに届出を行う必要がある。 - ※3
2026年5月31日において、現に外来データ提出加算を算定していた医療機関については、充実管理加算3が算定できる。充実管理加算3は新たに届出を行わなくても算定できる。
脂質異常症を主病とする場合
| 充実管理加算1 | 充実管理加算2 | 充実管理加算3 (※3) | |
|---|---|---|---|
| 実績値が上位20%又は50% (※1) | 20% | 50% | 実績値なし |
| 実績値を求めるための割合 (※2) | (ア)継続して投薬による脂質異常症の治療管理を行う患者のうち、集計期間中に、D007血液化学検査の「1」の中性脂肪もしくは遊離コレステロール、「3」のHDL-コレステロールもしくは総コレステロール、もしくは「4」のLDL-コレステロールを実施し、または特定健康診査を受診した患者の割合 | ||
| (イ)集計期間中の外来受診(他の医療機関への受診を含む。以下同じ)について、各受診間の間隔がいずれも6ヵ月以内であり、かつ、集計期間中の最終受診日から集計期間終了日までの間隔が6ヵ月を超えない患者の割合 | |||
| その他の要件 | 以下のいずれも満たしている。 (ア)外来医療等調査に適切に参加できる体制を有する。また、厚生労働省保険局医療課および外来医療等調査事務局と電子メールおよび電話での連絡可能な担当者を必ず1名指定する。 (イ)外来医療等調査に適切に参加し、調査に準拠したデータを提出する。 (ウ)診療記録(過去5年間の診療録および過去3年間の手術記録、看護記録等)の全てが保管・管理されている。 (エ)診療記録の保管・管理につき、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制であることが望ましい。 (オ)診療記録の保管・管理のための規定が明文化されている。 (カ)患者についての疾病統計には、ICD大分類程度以上の疾病分類がされている。 (キ)保管・管理された診療記録が疾病別に検索・抽出できる。 | ||
高血圧症を主病とする場合
| 充実管理加算1 | 充実管理加算2 | 充実管理加算3 (※3) | |
|---|---|---|---|
| 実績値が上位20%又は50% (※1) | 20% | 50% | 実績値なし |
| 実績値を求めるための割合 (※2) | 集計期間中の外来受診について、各受診間の間隔がいずれも6ヵ月以内であり、かつ、集計期間中の最終受診日から集計期間終了日までの間隔が6ヵ月を超えない患者の割合 | ||
| その他の要件 | 以下のいずれも満たしている。 (ア)外来医療等調査に適切に参加できる体制を有する。また、厚生労働省保険局医療課および外来医療等調査事務局と電子メールおよび電話での連絡可能な担当者を必ず1名指定する。 (イ)外来医療等調査に適切に参加し、調査に準拠したデータを提出する。 (ウ)診療記録(過去5年間の診療録および過去3年間の手術記録、看護記録等)の全てが保管・管理されている。 (エ)診療記録の保管・管理につき、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制であることが望ましい。 (オ)診療記録の保管・管理のための規定が明文化されている。 (カ)患者についての疾病統計には、ICD大分類程度以上の疾病分類がされている。 (キ)保管・管理された診療記録が疾病別に検索・抽出できる。 | ||
糖尿病を主病とする場合
| 充実管理加算1 | 充実管理加算2 | 充実管理加算3 (※3) | |
|---|---|---|---|
| 実績値が上位20%又は50% (※1) | 20% | 50% | 実績値なし |
| 実績値を求めるための割合 (※2) | (ア)集計期間中に、D005血液形態・機能検査の「9」ヘモグロビンA1c(HbA1c)を実施し、または特定健康診査を受診した患者の割合 | ||
| (イ)集計期間中に、B001-3生活習慣病管理料(Ⅰ)の注5の眼科医療機関連携強化加算もしくはB001-3-3生活習慣病管理料(Ⅱ)の注5の眼科医療機関連携強化加算もしくは注6の歯科医療機関連携強化加算を算定した患者の割合 | |||
| (ウ)集計期間中の外来受診について、各受診間の間隔がいずれも6ヵ月以内であり、かつ、集計期間中の最終受診日から集計期間終了日までの間隔が6ヵ月を超えない患者の割合 | |||
| その他の要件 | 以下のいずれも満たしている。 (ア)外来医療等調査に適切に参加できる体制を有する。また、厚生労働省保険局医療課および外来医療等調査事務局と電子メールおよび電話での連絡可能な担当者を必ず1名指定する。 (イ)外来医療等調査に適切に参加し、調査に準拠したデータを提出する。 (ウ)診療記録(過去5年間の診療録および過去3年間の手術記録、看護記録等)の全てが保管・管理されている。 (エ)診療記録の保管・管理につき、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制であることが望ましい。 (オ)診療記録の保管・管理のための規定が明文化されている。 (カ)患者についての疾病統計には、ICD大分類程度以上の疾病分類がされている。 (キ)保管・管理された診療記録が疾病別に検索・抽出できる。 | ||
⑪ 充実管理加算の経過措置
2026年3月31日において、現に生活習慣病管理料(Ⅰ)または生活習慣病管理料(Ⅱ)の外来データ提出加算の届出を行っている医療機関については、2027年3月31日までの間に限り、充実管理加算1に規定する各疾病の管理について、十分な実績を有しているとの基準を満たしているものとなります。
R8年3月31日時点
生活習慣病管理料(Ⅰ)・生活習慣病管理料(Ⅱ)
外来データ提出加算の届出を行っている医療機関
⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
R8年3月31日までの間
充実管理加算1に規定する各疾病の管理
基準を満たしている扱い
2026年5月31日において、現に外来データ提出加算を算定していた医療機関については、充実加算3が算定できます。
なお、充実管理加算3は新たに届出を行わなくても算定できます。
充実管理加算1、2は新たに届出を行う必要があります。
R8年5月31日時点
外来データ提出加算を算定している医療機関
⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
充実加算3が算定可能(届出の必要なし)
充実管理加算1、2は新たに届出が必要
⑫ 診療点数の改定
| 生活習慣病管理料(Ⅰ)に関する診療点数の改定 | ||
|---|---|---|
| 生活習慣病管理料(Ⅰ)(月1回) 1 脂質異常症を主病とする場合 610点 2 高血圧症を主病とする場合 660点 3 糖尿病を主病とする場合 760点 | ⇨ | 610点(据え置き) 660点(据え置き) 760点(据え置き) |
| 外来データ提出加算 50点 | ⇨ | イ 充実管理加算(脂質異常症を主病とする場合) (1)充実管理加算1 30点 (2)充実管理加算2 20点 (3)充実管理加算3 10点 ロ 充実管理加算(高血圧症を主病とする場合) (1)充実管理加算1 30点 (2)充実管理加算2 20点 (3)充実管理加算3 10点 ハ 充実管理加算(糖尿病を主病とする場合) (1)充実管理加算1 30点 (2)充実管理加算2 20点 (3)充実管理加算3 10点 |
| (新設) | ⇨ | 眼科医療機関連携強化加算(年1回) 60点 |
| (新設) | ⇨ | 歯科医療機関連携強化加算(年1回) 60点 |
