療養病棟入院基本料の施設基準|医療区分2・3の割合の計算

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本記事は以下の資料をもとに作成しています。
・医科点数表の解釈(令和8年6月版)社会保険研究所

診療報酬の算定において、「医科点数表の解釈(白ぼん)」の理解は必須になります。

「医科点数表の解釈(白ぼん)」の構成や見方・読み方などをしっかり把握しておきましょう。

この記事では、療養病棟入院基本料の施設基準になっている「医療区分2・3の割合」について、その計算方法や考え方をまとめます。

※療養病棟の施設基準については、以下の記事をご参照ください。

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目次

療養病棟入院基本料の施設基準|医療区分2・3の割合

療養病棟入院基本料を算定するための施設基準の中には、医療区分2・3の割合が定められています。

療養病棟入院基本料1療養病棟入院基本料2
 
医療区分2・3の割合が80%以上
 
 
医療区分2・3の割合が60%以上
 

そして、この医療区分の割合についての計算は、医科点数表の解釈において以下のように記載されています。

基本診療料の施設基準等(通知)

第2 病院の入院基本料等に関する施設基準

(以下:抜粋)

5 ・・・・・

 医療区分3及び医療区分2の患者の割合については、次のアに掲げる数をイに掲げる数で除して算出する。

ア 直近3か月における各病棟の入院患者ごとの医療区分3の患者及び医療区分2の患者に該当する日数の和

イ 直近3か月における各病棟の入院患者ごとの入院日数の和

医科点数表の解釈(令和8年6月版)p1439

上記の記載から、直近3か月における入院患者総数に対する医療区分2・3の患者数の割合を計算することが分かります。

ア / イ

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

直近3か月の医療区分2・3の合計 / 直近3か月の入院患者総数

医療区分2・3の割合の計算(例)

医療区分2・3の割合の計算例を挙げます。

今回は、20床の療養病棟を例に挙げて、医療区分2・3の割合を計算します。

毎月の集計

ある1か月の入院患者の医療区分の状況が、以下の状況だったとします。

入院患者医療区分1
(日数)
医療区分2・3
(日数)
合計
患者 ①72330
患者 ②30030
患者 ③62430
患者 ④03030
患者 ⑤102030
患者 ⑥62430
患者 ⑦30030
患者 ⑧30030
患者 ⑨141630
患者 ⑩72330
患者 ⑪22830
患者 ⑫42630
患者 ⑬42630
患者 ⑭102030
患者 ⑮(途中入院)02020
患者 ⑯(途中入院)31417
患者 ⑰(途中入院)10010
患者 ⑱(退院)02020
患者 ⑲(退院)01414
患者 ⑳(退院)51015
合計178338516

上記の集計によって、1か月の医療区分2・3の割合を計算すると、入院患者の入院日数の和「516」に対する医療区分2・3の和「338」になるので、「338÷516≒0.655」となり、医療区分2・3の割合は「65.5%」となります。

 入院患者の入院日数の和: 178 + 338 = 516

 医療区分2・3の患者の日数の和: 338

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

338 ÷ 516 = 0.65503875968

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

医療区分2・3の割合は「65.5%」

施設基準では直近3か月となっているので、上記の計算を直近3か月の合計で行います。

3か月の集計

前述した「毎月の集計」を3か月の入院患者数で計算した結果が、施設基準で用いる医療区分2・3の割合になります。

先ほどの集計に合わせて、前々月と前月の集計が以下の状況だった場合の計算をしてみます。

医療区分2・3入院患者総数医療区分2・3の割合
前々月35055063.6%
前月30053056.6%
当月33851665.5%
計・割合988159661.9%

上記の結果でみると、直近3か月の医療区分2・3の割合は「61.9%」ということになります。

これを施設基準に当てはめてみると、療養病棟入院基本料1の施設基準は満たせておらず、療養病棟入院基本料2の施設基準は満たしているということになります。

施設基準実績値適否
療養病棟入院基本料1
80%以上
61.9%×
療養病棟入院基本料2
60%以上
61.9%

仮に、療養病棟入院基本料1の届出をしている病棟の場合は、施設基準を満たせていないので療養病棟入院基本料2に区分変更の届出をしないといけなくなります。ちなみに、療養病棟入院基本料2の施設基準である60%以上の割合を満たせなくなった場合には、特別入院基本料への区分変更の届出になります。

医療区分2・3の割合の計算が直近3か月であることのメリット

医療区分2・3の割合は、直近3か月の集計によって実施しますが、この「直近3か月」という期間設定には大きなメリットがあります。

その理由は、入院患者の状況によっては医療区分2・3の割合が大きく下がってしまう医療機関もあるからです。

直近1か月であった場合に施設基準を満たせない月が生じやすくなる

先ほど計算例で用いた表を例に挙げて説明します。

医療区分2・3入院患者総数医療区分2・3の割合
前々月35055063.6%
前月30053056.6%
当月33851665.5%
計・割合988159661.9%

仮に、療養病棟入院基本料2の施設基準が「直近1ヵ月に医療区分2・3の割合の割合60%以上を満たすこと」となっていた場合、前月の実績では施設基準を満たせなくなってしまいます。

医療区分2・3入院患者総数医療区分2・3の割合
前々月35055063.6%
前月30053056.6%
当月33851665.5%
計・割合988159661.9%

前月の医療区分2・3の割合の実績は「56.6%」であり、60%以上の施設基準を満たせていません。

[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

[令和8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合について、Excelシートをnoteにて公開中です。

「医療区分2・3の割合|Excelシート」では、以下の4シートをひと月分として、入力を行っていきます。

① 割合シート

「割合シート」では、医療区分2・3の割合を求めます。

≪主な入力項目≫

  • 患者氏名
  • 日々の入院料
  • 前月、前々月の医療区分2・3の総数
  • 前月、前々月の延べ患者数

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • その月の最大入院数、最小入院数、延べ患者数、重症度割合
  • 直近3ヵ月の重症度割合
  • 入院料1~30の総数
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

② 分類シート

「分類シート」では、入院患者の医療区分を分類します。

≪主な入力項目≫

  • ADL区分(その月の主な区分)
  • 算定した医療区分(疾患・状態)(処置等)の内容

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • 医療区分(疾患・状態)の分類(%表示)
  • 医療区分(処置等)の分類(%表示)
  • 医療区分(疾患・状態)と医療区分(処置等)を合わせた分類(%表示)
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

③ 拘束シート

「拘束シート」では、身体的拘束の実施割合を計算します。

≪主な入力項目≫

  • 身体的拘束を実施した日
  • 前月、前々月の身体的拘束を実施した日数
  • 前月、前々月の入院料算定日数

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • その月の身体的拘束の実施日数、入院料算定日数、身体的拘束の実施割合
  • 直近3ヵ月の身体的拘束の実施割合
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

④ 点数シート

「点数シート」では、入院料の件数に対しての診療報酬を計算します。

≪主な入力項目≫

  • 一般、生活療養における各入院料の数
  • 入院基本料1、入院基本料2、特別入院基本料の選択

上記項目の入力によって、以下が自動計算されます。

  • 入院料別の診療報酬点数
  • 入院料の診療報酬の合計点数
[R8年度診療報酬改定版]医療区分2・3の割合|Excelシートの紹介

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