看護配置数の計算|療養病棟入院基本料「20:1」の考え方

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療養病棟入院基本料の施設基準には、看護職員数を「20:1」以上になるように定められています。

この看護配置数とは、「入院患者数に対して必要な看護職員の数」を示したもので、厚生局に届出した病棟区分ごとに決められています。

この記事では、看護配置数をどのように計算して求めるかについてまとめます。

※療養病棟入院基本料の施設基準については、以下の記事をご参照ください。

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目次

看護配置数とは?

看護配置数とは、「入院患者数に対して必要な看護職員の数」を示したもので、厚生局に届出した病棟区分ごとに決められています。

例えば、急性期病床では医療必要度の高い入院患者が多いので、看護配置数は多くなるように決められています。

それとは逆に、慢性期病床では長期療養を目的とした入院患者が多いので、看護配置数は少ない設定になっています。

この看護配置数は、「患者数に対して必要な看護職員数」になっており、「○○:1」または「○○対1」と表記されます。

看護配置数を表す「○○:1」の考え方

看護配置には、病棟区分別に「7:1」「10:1」「13:1」「15:1」「20:1」などの種類があります。

そして、この「○○:1」は「入院患者の人数:看護職員の人数」を表しています。

その病棟区分における入院患者数に対する必要な看護職員の割合だと考えればよいです。

○○:1 = 入院患者の人数:看護職員の人数

「7:1」の看護配置では7人の入院患者に対して1人以上の看護職員を配置する必要があり、「20:1」の看護配置では20人の患者様に対して1人以上の看護職員を配置する必要があります。

「7:1」に近づくほど看護師の配置数は多くなる

下の表を見ると、「20:1」から「7:1」の看護配置になるにつれて、入院患者数に対する看護師数が増えていくことが分かります。

○○:1看護職員の配置
7:1入院患者7人に対して看護師を1人以上配置
10:1入院患者10人に対して看護師を1人以上配置
13:1入院患者13人に対して看護師を1人以上配置
15:1入院患者15人に対して看護師を1人以上配置
20:1入院患者20人に対して看護師を1人以上配置

医科点数表の解釈において入院基本料ごとの看護配置数は定められていますが、急性期医療を行う入院基本料では入院患者の医療必要度も高くなるため、それに合わせた看護配置数が定められています。

そして、各保険医療機関は厚生局に届出をした入院基本料の施設基準に合わせて看護配置を行っています。

一つの保険医療機関に、急性期病棟、回復期病棟、療養病棟など複数の病棟が混在する場合であっても、届出ている入院基本料に合わせた看護配置がそれぞれされています。

看護配置基準を満たせないとどうなるのか?

医科点数表の解釈において、入院基本料ごとに必要な看護配置数が定められており、保険医療機関は定められた看護配置数を満たした病棟運営を行う必要があります。

そのため、定められた看護配置基準を満たすことができなくなれば、届け出た入院基本料の取り下げをする必要があり、取下げ後はその入院基本料を算定することはできません。

あくまでも取り下げの届出は自己申告ですが、仮に、ばれないだろうと看護配置基準を満たしていない状態で運営を続けても、いつかはばれてしまいます。

  • 「うちの病院は少ない人数でも看護体制に問題はない」
  • 「看護職員が少なくても業務はまわるから少ない人数でも構わない」
  • 「書類上でごまかしておけば、ばれることはないから大丈夫」

経営者が上記のような身勝手な考え方で看護配置基準を守らず、病院運営をしてしまうと最終的に大きな報いを受けることになります。

厚生局は、各医療機関において適切に施設基準を守った運営を行えるように、集団指導や個別指導などを定期的に行っています。また、年に一度提出を求められる定例報告によって、現状の確認を行っています。

看護配置数の計算の考え方

看護配置数の計算を療養病棟の施設基準である「療養病棟入院基本料」を例に挙げて説明していきます。

療養病棟入院基本料の必要看護配置数は「20:1」となっているので、患者様20人に対し看護職員を1人以上配置する必要があります。

看護配置数を計算するときの注意点

看護配置数の計算では”入院患者と看護職員は病院の滞在時間が異なる”ことを考慮する必要があります。

仮に、60床の医療療養病床が満床であったときの必要看護配置数がどうなるかを考えてみます。

20:1なので、60床 ÷ 20 = 3人???

上記の計算には大きな間違いがあります。

患者は病院に入院している状態なので、朝・昼・夜、つまり24時間ずっと病院にいますが、看護職員は勤務時間が終われば帰宅してしまいます。

そのため、「60床 ÷ 20 = 3人」の計算式を成り立たせるためには、看護職員が24時間住み込みで働き続けなければならないことになってしまいます。

上記のことを踏まえ、看護配置数の計算では”看護職員が1日に何人必要なのか?”ということも考えなければいけないことになります。

1日(24時間)に必要な看護職員の数は?

入院患者は、朝・昼・夜の24時間、病院で過ごされています。

そのため、1日(24時間)において、患者様に対しての医療を行えるような看護職員数を考えなければいけません。

ここで考えないといけないことは、看護職員が1日(24時間)に何人必要になるかということです。

この点については、医科点数表の解釈の中で以下のように記載があります。

【第2 病院の入院基本料等に関する施設基準】:抜粋

(2)看護要員の数については、次の点に留意する。

・・・・・

イ 当該届出病棟に配置されている看護要員の数は、1勤務帯8時間で1日3勤務帯を標準として、月平均1日当たりの要件を満たしていること。なお、育児又は家族介護に関する休業等が確保されるよう配慮を行うこと。

・・・・・

医科点数表の解釈(令和8年6月版)p1432

「1勤務帯8時間で1日3勤務帯を標準」となっているので、看護職員の勤務時間は最大で1日8時間勤務、1日は24時間なので以下の計算式が成り立ちます。

24時間 ÷ 8時間(看護職員の1日の勤務時間) = 3人

この計算式から、1日24時間、常に病棟に看護職員が滞在している状態をつくるには、少なくとも3人の看護職員が必要になるということが分かります。

1日最低3人の看護師が必要なことを考慮すると…

1日最低3人の看護師が必要なことを考慮すると、以下のような看護配置数の計算式が出来上がります。

( 入院患者数 ÷ 看護基準 ) × 3 = 必要看護配置数

入院患者様に対して○○人の看護配置(看護基準)を行い、それを24時間体制(1日に3人必要)で行うということです。

上記を踏まえた上で、再度、療養病棟入院基本料を算定する60床の医療療養病床が満床であったときの必要看護配置数を計算してみます。

( 60 ÷ 20 ) × 3 = 9人

患者数60人で看護基準が20:1の場合には、最低9人の看護職員が必要ということが分かります。

病床数が異なる場合の必要看護配置数を計算すると以下の表のようになります。

病床数(20:1)必要看護配置数
20床3人
30床5人
(≒4.5人)
40床6人
50床8人
(≒7.5人)
60床9人

端数があるときには切り上げになります。

入院患者数が40人であったときの必要看護配置数の違いは?

仮に、入院患者数が40人であった場合、看護配置数ごとで必要看護配置数を計算すると以下のようになります。

○○:1計算式「( 入院患者数 ÷ 看護基準 ) × 3」
※入院患者数40人のとき
必要看護配置数
7:1( 40 ÷ 7 ) × 3 ≒ 17.118
10:1( 40 ÷ 10 ) × 3 = 1212
13:1( 40 ÷ 13 ) × 3 ≒ 9.210
15:1( 40 ÷ 15 ) × 3 ≒ 7.98
18:1( 40 ÷ 18 ) × 3 ≒ 6.67
20:1( 40 ÷ 20 ) × 3 = 66

端数があるときには切り上げになります。

「20:1」から「7:1」になるほど患者様に対しての必要な看護師数が増えていきます。

○○:1看護職員の配置
7:17人の患者に対して、1人以上の看護師を配置
10:110人の患者に対して、1人以上の看護師を配置
13:113人の患者に対して、1人以上の看護師を配置
15:115人の患者に対して、1人以上の看護師を配置
18:118人の患者に対して、1人以上の看護師を配置
20:120人の患者に対して、1人以上の看護師を配置
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