【届出受理後に施設基準を満たせなくなったとき】変更届が必要な変動・届出の不要な一時的な変動

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参考資料:医科点数表の解釈「令和8年6月版」

医療機関は厚生局に施設基準の届出を行い、その届出が受理されれば、診療報酬の算定が可能になります。

ただ、届出が受理された後に、届出の内容と異なった事情が生じる等によって、施設基準を満たせなくなった場合には変更の届出をしなければいけません。

ですが、定められた一時的な変動については届出は不要となっています。

この記事では、「届出受理後の措置等(届出の不要な一時的な変動)」について基本的な概要と考え方をまとめます。

目次

基本的には「遅滞なく変更の届出」を行う

届出受理後に施設基準を満たせなくなった場合については、医科点数表の解釈において以下のように記載があります。

基本診療料の施設基準等(通知)

【第3 届出受理後の措置等】:抜粋

1 届出を受理した後において、届出の内容と異なった事情が生じ、当該施設基準を満たさなくなった場合又は当該施設基準の届出区分が変更となった場合には、保険医療機関の開設者は遅滞なく変更の届出等を行うものであること。

また、病床数に著しい増減があった場合にはその都度届出を行うものであること。なお、病床数の著しい増減とは、病棟数の変更や、病棟の種別ごとの病床数に対して1割以上の病床数の増減があった場合等のことであるが、これに該当しない病床数の変更の場合であっても、病床数の増減により届出の基準を満たさなくなった場合には、当然、変更の届出は必要である。

・・・・・

医科点数表の解釈(令和8年6月版)p1416

上記引用分内の下線部分により、施設基準が満たせなくなった場合には遅滞なく変更の届出を行うようになっています。

届出の内容と異なった事情が生じる

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

施設基準を満たさなくなった場合

当該施設基準の届出区分が変更となった場合

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

保険医療機関の開設者は遅滞なく変更の届出等を行う

施設基準の届出の内容と異なった事情が「一時的な変動」であった場合、変更の届出が不要なときもあります。

変更の届出をするタイミングは?

変更の届出のタイミングは、次項でまとめている「ただし書きの場合(一時的な変動の引用文)」を除き、以下のように記載があります。

基本診療料の施設基準等(通知)

【第3 届出受理後の措置等】:抜粋

2 1による変更の届出は、1のただし書きの場合を除き、届出の内容と異なった事情が生じた日の属する月の翌月に速やかに行うこと。その場合においては、変更の届出を行った日の属する月の翌月(変更の届出について、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理された場合には当該月の1日)から変更後の入院基本料等を算定すること。

ただし、面積要件や常勤職員の配置要件のみの変更の場合など月単位で算出する数値を用いた要件を含まない施設基準に係る場合には、当該施設基準を満たさなくなった日の属する月に速やかに変更の届出を行い、当該変更の届出を行った日の属する月の翌月から変更後の入院基本料等を算定すること。

医科点数表の解釈(令和8年6月版)p1416

「1のただし書きの場合を除き」については、【施設基準の変更届が不要な「一時的な変動」】をご参照ください。

「変更の届出」の基本的な流れ

「変更の届出」の基本的な流れは以下のようになります。

届出の内容と異なった事情が生じる

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

事情が生じた月の翌月に速やかに変更の届出を行う

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

変更の届出を行った月の翌月から変更後の基本料を算定

変更の届出は、月の最初の開庁日に要件審査を終えて受理された場合には当該月の1日から算定

面積要件や常勤職員の配置要件のみの変更の場合

月単位で算出する数値を用いた要件を含まない施設基準に係る場合

(面積要件や常勤職員の配置要件のみの変更など)

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

施設基準を満たさなくなった月に速やかに変更の届出を行う

⇩⇩⇩⇩⇩⇩

変更の届出を行った月の翌月から変更後の入院基本料等を算定

看護要員の勤務時間数など月単位で算出する数値でない場合には、その月に施設基準を満たせなくなったことが確認できるので、速やかに変更の届出を行う必要があります。

施設基準の変更届が不要な「一時的な変動」

施設基準の変更届が不要な「一時的な変動」については、医科点数表の解釈において以下のように記載があります。

基本診療料の施設基準等(通知)

【第3 届出受理後の措置等】:抜粋

1 ・・・・・
 ただし、次に掲げる事項についての一時的な変動についてはこの限りではない

(1)平均在院日数及び月平均夜勤時間数については、暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動

(2)医師と患者の比率については、暦月で3か月を超えない期間の次に掲げる範囲の一時的な変動

ア 医療法(昭和23年法律第205号)に定める標準数を満たしていることが届出に係る診療科の算定要件とされている場合
 当該保険医療機関における医師の配置数が、医療法に定める標準数から1を減じた数以上である範囲

イ 「基本診療料の施設基準等」第五のニの(1)のイの②の4、四の(1)のイの④及び六の(2)のイの⑤の場合
 常勤の医師の員数が、当該病棟の入院患者数に100分の10を乗じて得た数から1を減じた数以上

(3)1日当たり勤務する看護師及び准看護師又は看護補助者(以下「看護要員」という。)の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護師及び准看護師(以下「看護職員」という。)の数に対する看護師の比率については、暦月で1か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動。

(4)医療法上の許可病床数(感染症病床を除く。)が100床未満の病院及び特別入院基本料(月平均夜勤時間超過減算により算定する場合を除く。)を算定する保険医療機関にあっては、1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護職員の数に対する看護師の比率については、暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動。

(5)算定要件(一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡ(以下「重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡ」という。)の評価方法を用いる要件を除き、特定集中治療室管理料の施設基準のうち1の(12)及び3の(5)の要件を含む。)中の該当患者の割合については、暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動。

(6)算定要件中の紹介割合及び逆紹介割合については、暦月で3か月間の一時的な変動。

(7)災害時等において別に当局による定めがある事項についての一時的な変動

医科点数表の解釈(令和8年6月版)p1416

上記引用文内の一部をまとめました。

平均在院日数、月平均夜勤時間数

暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動

医師と患者の比率

暦月で3か月を超えない期間の次に掲げる範囲の一時的な変動

  • 医療法に定める標準数を満たしていることが届出に係る診療科の算定要件とされている場合(保険医療機関における医師の配置数が、医療法に定める標準数から1を減じた数以上である範囲)
  • 「基本診療料の施設基準等」第五のニの(1)のイの②の4、四の(1)のイの④及び六の(2)のイの⑤の場合(常勤の医師の員数が、当該病棟の入院患者数に100分の10を乗じて得た数から1を減じた数以上)

「基本診療料の施設基準等」第五のニの(1)のイの②の4

基本診療料の施設基準等(告示)

【第五のニ 一般病棟入院基本料の施設基準等】:抜粋

(1)一般病棟入院基本料の注1に規定する入院料の施設基準

イ 急性期一般入院基本料の施設基準

② 急性期一般入院基本料1の施設基準

4 常勤の医師の員数が、当該病棟の入院患者数に100分の10を乗じて得た数以上であること。

医科点数表の解釈(令和8年6月版)p1360

「基本診療料の施設基準等」第五の四の(1)のイの④

基本診療料の施設基準等(告示)

【第五の四 結核病棟入院基本料の施設基準等】:抜粋

(1)結核病棟入院基本料の注1に規定する入院料の施設基準

イ 7対1入院基本料の施設基準

④ 常勤の医師の員数が、当該病棟の入院患者数に100分の10を乗じて得た数以上であること。

医科点数表の解釈(令和8年6月版)p1363

「基本診療料の施設基準等」第五の六の(2)のイの⑤

基本診療料の施設基準等(告示)

【第五の六 専門病院入院基本料の施設基準等】:抜粋

(2)専門病院入院基本料の注1本文に規定する入院料の施設基準

イ 7対1入院基本料の施設基準

⑤ 常勤の医師の員数が、当該病棟の入院患者数に100分の10を乗じて得た数以上であること。

医科点数表の解釈(令和8年6月版)p1369

1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率、看護職員の数に対する看護師の比率

1日当たり勤務する看護師及び准看護師又は看護補助者(以下「看護要員」という。)の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護師及び准看護師(以下「看護職員」という。)の数に対する看護師の比率については、暦月で1か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動

  • 看護要員 ⇨ 看護師、准看護師、看護補助者 
  • 看護職員 ⇨ 看護師、准看護師

100床未満の病院、特別入院基本料を算定する保険医療機関の場合

許可病床数(感染症病床を除く。)が100床未満の病院、特別入院基本料(月平均夜勤時間超過減算により算定する場合を除く。)を算定する保険医療機関の場合は、1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護職員の数に対する看護師の比率は、暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動まで許容される。

「やむを得ない事情」における施設基準等に関する取扱いの見直し

令和8年度診療報酬改定において、

  • 公共職業安定所
  • 無料職業紹介事業者
  • 適正認定事業者

を活用する等により、平時から看護職員確保の取組を行っているにもかかわらず、「やむを得ない事情」によって一時的に看護職員確保ができない場合について、看護職員の配置基準は柔軟化されました。

改定後

[施設基準(告示)]第一 届出の通則

二 届出に係るの内容と異なる事情が生じた場合には、速やかに届出の内容の変更を行わなければならない。

[施設基準(通知)] (概要)

  • 1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護職員の数に対する看護師の比率については、暦月で1か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動の場合は変更の届出を行わなくてもよい。
  • 突発的で想定が困難な事象によりやむを得ない事情が生じ、1日当たり勤務する看護要員の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護師及び准看護師の数に対する看護師の比率について、暦月で1か月を超える期間の1割以内の一時的な変動があった場合、次の全てに該当するときは、3か月を超えない期間に限り変更の届出を行わなくてもよい(1年に1回に限る。)
     
    • (1)公共職業安定所又は都道府県ナースセンター等の無料職業紹介事業を活用して看護職員の確保に係る取組を行っていること。やむを得ない事情が生じていない場合においても、看護職員の求人を行う場合には、公共職業安定所又は無料職業紹介事業の活用等の看護職員の確保に係る取組を行っていることが望ましい。
    • (2)民間職業紹介事業者を利用する場合においては、医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者認定制度による適正認定事業者を含むこと。
    • (3)当該医療機関が自ら採用情報をウェブサイトで公表する等、看護職員確保に係る取組を積極的に行っていることが望ましい。
    • (4)やむを得ない事情が生じた場合であって、一時的に看護職員の確保ができない場合においては、一部の看護要員へ過度な業務負担とならないよう、保険医療機関は看護要員の適正な労働時間管理を行い、体制の整備を図るよう努めること。

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