赤血球数(RBC)、ヘマトクリット値(Ht)、血色素量(Hb)|基準値

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赤血球数(RBC)、ヘマトクリット値(Ht)、血色素量(Hb)の基準値は、一般的に成人男性のRBCは410~530万個/μL、Htは39~52%、Hbは13.0~17.0g/dL、成人女性はRBCが380~480万個/μL、Htが34~47%、Hbが11.5~15.0g/dL程度です。

これらの値は、贫血や赤血球増加症などの状態を判断するために他の検査項目と合わせて総合的に評価されます。

項目男性女性小児
赤血球数(RBC)410~530 (×10⁴/μL)380〜480(×10⁴/μL)400~500(×10⁴/μL)
ヘマトクリット値(Ht)39~52(%)34~47(%)35~45(%)
血色素量(Hb)13.0~17.0(g/dL)11.5~15.0(g/dL)11.5~16.5(g/dL)

参考図書


目次

赤血球数(RBC)、ヘマトクリット値(Ht)、血色素量(Hb)の基準値

略称

赤血球
RBC:Red Blood Cell

ヘマトクリット値
Ht:Hematocrit

血色素量(ヘモグロビン)
Hb:Hemoglobin

基準値

項目男性女性小児
赤血球数(RBC)410~530 (×10⁴/μL)380〜480(×10⁴/μL)400~500(×10⁴/μL)
ヘマトクリット値(Ht)39~52(%)34~47(%)35~45(%)
血色素量(Hb)13.0~17.0(g/dL)11.5~15.0(g/dL)11.5~16.5(g/dL)

RBC、Ht、Hbの異常とその原因

RBC、Ht、Hbが高値の場合RBC、Ht、Hbが低値の場合
【身体症状】
 ・頭痛、のぼせ、耳鳴、眩暈、鼻出血
 ・肝腫大(30~50%)、脾腫大(75%)
 ・出血傾向
 ・掻痒
 ・痛風(10%)
 ・チアノーゼ

【原因となる疾病】
 ①真性多血症
 ②二次性多血症
  ・高所での生活
  ・心肺疾患の代償
  ・エリスロポエチン産生腫瘍(腎癌など)
 ③偽性多血症
  ・脱水
  ・ストレス
  ・激しい下痢
  ・嘔吐
  ・火傷
【一般的症状】
 ・動悸、息切れ
 ・眩暈、たきくらみ
 ・皮膚・粘膜蒼白
 ・頭痛

【身体的所見】
 ・黄疸(溶血性貧血)
 ・貧血状結膜
 ・舌炎(悪性貧血:Hunterの舌炎)
 ・爪の変形
 ・神経障害(悪性貧血)
 ・反射消失
 ・下肢のしびれ
 ・異味症、嚥下痛

【貧血の分類】
 ・正球性正色素性貧血
 ・大球性正色素性貧血
 ・小球性低色素性貧血

赤血球数(RBC:Red Blood Cell count)

赤血球(RBC)は血液中の赤血球の数を指します。

赤血球は肺で取り込んだ酸素を全身の細胞に運び、二酸化炭素を回収する重要な役割を担っています。

RBCの数値が低い場合は貧血、高い場合は多血症や脱水症などが疑われ、それぞれの原因を特定するためにはヘモグロビン(Hb)や赤血球恒数などの他の検査結果も合わせて総合的に判断されます。

赤血球数の基準値

男性女性小児
410~530 ×10⁴/μL380~480 ×10⁴/μL400~500 ×10⁴/μL

赤血球の役割

  • 肺で酸素を受け取り、体中の細胞に酸素を供給する
  • 細胞で発生した二酸化炭素を回収し、肺へ運び、体外へ排出する
  • 体液のpH(酸性・アルカリ性のバランス)を調節する

赤血球数の異常とその原因

赤血球数が低値の場合(貧血)

  • 鉄欠乏性貧血
  • ビタミンB12欠乏性貧血
  • 再生不良性貧血
  • 溶血性貧血
  • 悪性貧血  など

※出血(痔、胃潰瘍など)が原因の場合もあります。

赤血球数が高値の場合(多血症・赤血球増多症)

  • 血液がドロドロになり、血栓症や血管が詰まるリスクを高める可能性がある
  • 脱水症や睡眠時無呼吸症候群、ストレス、喫煙などが原因となることもある

ヘマトクリット値(Ht:Hematocrit)

ヘマトクリット値(Ht)は、血液中に占める赤血球の体積の割合を示す検査値で「血液の濃さ」を意味します。

貧血では低値、多血症や脱水症では高値を示すことが多く、貧血の診断や種類を特定する上で、ヘモグロビン濃度などの他の項目と合わせて評価されます。

ヘマトクリット値とは?

血液を遠心分離すると、赤血球、白血球、血小板などの固形成分と血漿(透明な液体部分)に分かれます。

Htは、このうち赤血球が血液全体(全血球の約99%が赤血球)のどれくらいの体積を占めているか(%)で表したものです。

ヘマトクリット値の基準値

男性女性小児
39~52%34~47%35~45%

ヘマトクリット値の増減とその原因

ヘマトクリット値が増加する場合
(血液が濃い)
ヘマトクリット値が減少する場合
(血液が薄い)
・脱水(下痢、嘔吐、発汗過多 など)
・多血症(真性多血症、高地生活 など)
・貧血(特に鉄欠乏性貧血)
・過剰な水分摂取(心不全、腎不全 など)

血色素量(Hb:Hemoglobin)

血色素量(けっしこつりょう)は、血液中のヘモグロビン(Hb)の量を指し、赤血球の赤い色素タンパク質です。

ヘモグロビンは、肺で酸素と結合して全身に運び、細胞から二酸化炭素を受け取って肺へ戻す役割を担い、このヘモグロビンが減少すると貧血になります。

貧血の診断基準は一般的に成人男性で13g/dl以下、成人女性で11g/dl以下とされ、値がこれより低い場合は貧血と診断されます。

血色素量の基準値

男性女性小児
13.0~17.0 g/dL11.5~15.0 g/dL11.5~16.5 g/dL

血色素量の役割

血色素量(ヘモグロビン)は肺から全身の細胞に酸素を運び、運搬した酸素を細胞に渡した後に、細胞から二酸化炭素を受け取り、肺に運び排出します。

血色素量の増減とその原因

血色素量が増加する場合血色素量が減少する場合
・多血症(真性多血症、高地生活 など)
・脱水(相対的なHb増加)
・貧血(鉄欠乏性貧血、慢性疾患による貧血、溶血性貧血 など)
・出血(外傷、消化管出血 など)

参考図書

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