フィブリンモノマー(FM)は、フィブリノゲンがトロンビンにより分解されてできる単量体であり、可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC、SF)は、FMがフィブリノゲンや他のフィブリン関連物質と結合したもので、主に凝固亢進状態の指標となります。
FMは単独ではほとんど存在せず、常に複合体として測定されるため、SFMC(またはSF)という検査名で測定され、DIC(播種性血管内凝固症候群)や血栓症の早期診断・治療経過の確認に用いられます。
フィブリンモノマー(FM): 陰性(-)
可溶性フィブリンモノマー複合体(SF): 7(μg/mL)未満
フィブリンモノマー(FM)、可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC、SF)の概要
凝固亢進時、フィブリノーゲンはトロンビン(凝固第Ⅱ因子)の作用によりフィブリンモノマー(FM)となり、さらに可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC)を形成します。
そのため、可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC)の検出は血管内凝固更新を意味します。
フィブリンモノマー(FM): 赤血球凝集反応
可溶性フィブリンモノマー複合体(SF): ラテックス凝集法
略称
フィブリンモノマー
FM:fibrin monomer
可溶性フィブリンモノマー複合体
SFMC:solube fibrin monomer complex
フィブリンモノマー(FM)とSFMC(SF)の関連性
血液中のフィブリノゲンにトロンビンが作用すると、フィブリンモノマー(FM)が生成されます。
しかし、このFMは非常に不安定であり、すぐにフィブリノゲンやその分解産物(FgDPなど)、フィブロネクチンなどと結合し、可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC、SF)を形成します。
FMは単独で存在することがほとんどないため、臨床検査ではこの複合体(SFMC/SF)を測定します。
臨床的意義
① 凝固亢進状態の指標
FMとSFMC/SFの増加は、体内の凝固系が活性化されていることを示すマーカーであり、特に血栓症の兆候とされています。
② 診断・モニタリングへの応用
- DICの早期診断::播種性血管内凝固症候群(DIC)の早期診断に有用です。
- 血栓症の診断と治療経過の観察::静脈血栓症や肺動脈血栓塞栓症の診断や、治療効果の判定にも用いられます。
フィブリンモノマー(FM)、可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC、SF)が高値の場合
フィブリンモノマー(FM)、可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC、SF)が高値の場合には、以下のことが考えられます。
- 播種性血管内凝固因子(DIC)
- 外傷
- 血栓症
- 敗血症
- 悪性腫瘍






