フィブリノーゲン量(FgまたはFIB)は、血液中に含まれる凝固因子の一つであるフィブリノーゲンというタンパク質の濃度を測定する検査で、基準値は一般的に200〜400 mg/dL程度とされます。
炎症、心血管疾患、脳卒中、肝機能障害などのリスク評価や、先天性または後天性の血液凝固異常の診断に用いられます。
フィブリノーゲン量(Fg)の基準値
200~400(mg/dL)
目次
フィブリノーゲン量(Fg)の概要
フィブリノーゲン(繊維素)は、肝臓で合成される糖蛋白質で、凝固第Ⅰ因子です。
トロンビン(凝固第Ⅱ因子)により活性化し、フィブリノーゲンはフィブリンになり、止血作用を行います。
血中のフィブリノーゲン量によって出血傾向や血栓形成傾向になり、60mg/dL以下で「出血傾向」に、700mg/dL以上で「血栓形成傾向」になります。
止血作用
フィブリノーゲンは、トロンビン(凝固第Ⅱ因子)により活性化しフィブリンになり、止血作用を行います。
出血傾向と血栓形成傾向
60mg/dL以下 → 出血傾向
700mg/dL異常 → 血栓形成傾向
略称
フィブリノーゲン量
Fg:fibrinogen
主な目的
① 止血能力の評価
血液が固まる(凝固する)能力を評価するために測定されます。
② 疾患の診断
炎症、感染症、悪性腫瘍、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中など、フィブリノーゲン値が高値や低値を示す疾患の診断に役立ちます。
③ 肝機能評価
肝臓のタンパク質合成機能が低下している場合、フィブリノーゲン値が低くなることがあります。
フィブリノーゲン量(Fg)の異常とその原因
| 多量の場合 | 少量の場合 |
|---|---|
| ・感染症 ・悪性腫瘍 ・ショック ・脳血栓 ・心筋梗塞 ・ネフローゼ症候群 ・ヘパリン投与中止後 ・凍結血漿大量輸液 ・妊婦 | ・播種性血管内凝固症候群(DIC) ・肝障害 ・大量出血 ・巨大血栓症 ・線溶亢進時 ・先天性無フィブリノーゲン血症(フィブリノーゲン異常症) |
60mg/dL以下で出血傾向出現・700mg/dL以上で血栓形成傾向出現






