CD(Cluster of Differentiation)分類は、細胞表面に存在する分子に国際共通の番号を割り当てることで細胞を分類・整理する国際的なシステムです。
フローサイトメトリーは、このCD分子などの細胞表面マーカーを、モノクローナル抗体を用いて検出・解析する技術であり、細胞の機能や種類を同定・分類する目的で用いられます。
CD分類の概要
CD分類とは、ヒトの白血球等の表面に存在する抗原を、モノクローナル抗体により確認することで、細胞の識別を行うことです。
現在は350種以上のCDナンバーが確認されていて、リンパ球系(T細胞、B細胞ほか)・骨髄球系・単球・血小板・血管内皮などの細胞のCD抗原が証明されています。
略称
CD分類
CD(Cluster of differentiation)
CD分類とは?
細胞表面の「目印」
細胞の見た目では分からない機能の異なる細胞を区別するために、細胞表面に存在する特定の分子を「目印」として利用する仕組みです。
共通番号システム
これらの目印(分子)は、国際会議で評価され、世界共通の通し番号(CD番号)で整理されており、これがCD分類です。
代表的なCD分類
| CD分類 | 分布 |
|---|---|
| CD4 | ヘルパーT細胞 |
| CD8 | サプレッサーT細胞 |
| CD20 | B細胞全般 |
| CD30 | 活性化リンパ球(急性リンパ球性白血病など) |
| CD68 | 単球(マクロファージ) |
フローサイトメトリーの概要
フローサイトメトリーとは、目的のCD分類に対応したモノクローナル抗体と蛍光色素を結合させた細胞を、細胞が1個ずつ流れる流路に流し、そこにレーザー光線を当て、発光する蛍光や反射光をフローサイトメーターで分析することをいいます。
フローサイトメーターは、数種類の抗体を同時に分析することができ、数千個/分もの細胞の分析が可能です。
おもにT細胞とB細胞の数や割合、ヘルパーT細胞とサプレッサーT細胞の数や割合を検査することで、リンパ系腫瘍や細胞免疫の分野に大きく役立っています。
フローサイトメトリーとは?
細胞を高速で流し、その際に細胞表面の目印(CD分子など)に特異的に結合するモノクローナル抗体を利用して細胞の数や機能などを測定する技術です。
細胞の特定と分類
細胞表面のCD分子を検出することで、目的の細胞が存在するかどうか、また、どのような細胞がどれくらい存在するかを解析します。
セルソーターによる選別
フローサイトメトリーで得られた情報に基づいて、特定の細胞や微粒子を物理的に分離する「セルソーター」と組み合わせて使用することも可能です。






