ヘパプラスチンテスト(HPT)、トロンボテスト(TT)|基準値

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ヘパプラスチンテスト(HPT)とトロンボテスト(TT)は、肝臓で作られるビタミンK依存性凝固因子(第II、VII、X因子)の活性を調べる血液凝固検査です。

肝機能の低下やビタミンK欠乏状態のスクリーニングに用いられますが、HPTは内因性凝固阻害物質(PIVKA)の影響を受けにくい特徴があり、肝の合成能をより鋭敏に反映します。

TTはワルファリンなどの経口抗凝固剤のモニタリングにも使われます。

ヘパプラスチンテスト、トロンボテストの基準値

70~130(%)(HPT、TTともに)


参考図書


目次

ヘパプラスチンテスト、トロンボテストの概要

プロトロンビンテスト(PT)の改良型の凝固検査で肝機能を反映する検査のひとつです。

肝臓のビタミンKの存在下に合成される凝固因子(ビタミンK依存性凝固因子)Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹのうち、とくにⅡ・Ⅶ・Ⅹの活性を反映します。

略称

ヘパプラスチンテスト
HPT:hepaplastin test

トロンボテスト
TT:thrombo test

ヘパプラスチンテスト(HPT)

肝臓でのビタミンK依存性凝固因子(第II、VII、X因子)の合成能を評価します。

肝臓の合成能障害の有無の判定や、ビタミンK欠乏状態のスクリーニングに用いられます。

トロンボテスト(TT)

トロンボテスト(TT)は、PIVKA(不完全なビタミンK依存性凝固因子)の影響を受けるので、ワルファリンカリウムによる経口抗凝固療法では、より低値になります。

そのため、ワルファリンカリウムのモニタリングとして用いられます。

ワルファリンカリウムは、肝臓でビタミンK依存因子の合成を阻害することで、抗凝固作用を示します。

HPTとTTの主な違い

特徴ヘパプラスチンテスト(HPT)ヘパプラスチンテスト(HPT)
PIVKAの影響受けにくい強く受ける
主な目的肝の合成能評価、ビタミンK欠乏のスクリーニング経口抗凝固療法のコントロール、血液凝固能の総合的評価
組織因子ウサギ脳トロンボプラスチンウシ大脳由来組織因子

ヘパプラスチンテスト、トロンボテストの異常とその原因

高値の場合低値の場合
・臨床的意義不明・肝細胞障害(肝炎、肝硬変)
・先天性凝固因子(Ⅱ・Ⅶ・Ⅹ)欠乏症
・ビタミンK欠乏症(新生児、乳児、胆道閉塞症) 
・播種性血管内凝固症候群(DIC)
・血中抗凝固因子(凝固因子インヒビター)の存在
・ワーファリンによる経口抗凝固療法

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