骨髄穿刺(マルク)は、白血病などの血液疾患の診断や治療効果の判定、再発の有無などを調べるために行われる検査です。
局所麻酔をして腸骨や胸骨に針を刺し、骨の中にある骨髄液を採取して顕微鏡で細胞を観察します。
骨髄は血液を「作る工場」であり、マルクを行うことで造血の状態や血球の異常、血液の形成過程などを詳しく調べることが可能です。
骨髄穿刺(マルク)の基準値
有核細胞数(正形成): 100~200(×103/μL)
巨核球数: 50~150(/μL)
目次
骨髄穿刺(マルク)の概要
骨髄穿刺は、末梢血液像の異常の原因が骨髄にあると思われる場合や、骨髄での造血異常を否定するために行う検査です。
胸骨、腸骨稜などから骨髄液を穿刺吸引し、赤血球系・白血球系・血小板系の各系統の造血細胞について、数・性状を検査します。
略称
骨髄穿刺(マルク)
bone marrow puncture
骨髄穿刺の主な目的
① 白血病、悪性リンパ腫などの確定診断
血液疾患の診断に不可欠な検査です。
② 治療効果の判定
治療の経過を観察し、効果があるか、あるいは再発の有無を確認します。
③ 骨髄の状態の把握
血液を「作る工場」である骨髄の活動状態や、血球の異常、骨髄転移の有無などを調べます。
骨髄穿刺の方法
- 局所麻酔: 皮膚と骨膜の表面に麻酔をします。
- 穿刺(せんし): 骨髄穿刺針(マルク針)を使い、腰の骨(腸骨)や胸の骨(胸骨)に針を進めます。
- 骨髄液の採取: 注射器で骨髄液を少量吸引します。
- 顕微鏡での観察: 採取した骨髄液をスライドガラスに展開し、顕微鏡で細胞の形や数を観察します。
- 骨髄生検(組織検査): 骨髄液だけでなく、骨組織を含む骨髄の一部を採取する「骨髄生検」が行われることもあります。
骨髄穿刺でわかること
- 造血能: 骨髄がどの程度活発に血液を生成しているかがわかります。
- 血球の形態: 細胞の形や成熟度、機能異常などがないか調べられます。
- 疾患の有無: 白血病細胞や悪性腫瘍の転移、その他の血液疾患の病態が明らかになります。
骨髄穿刺(マルク)の異常とその原因
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| ・有核細胞数の過形成 :急性・慢性骨髄性白血病 :急性・慢性リンパ性白血病 :骨髄異形成症候群(MDS) ・巨核球数の過形成 :本態性血小板血症 | ・有核細胞数の低形成 :再生不良性貧血 |






