網状赤血球数(レチクロ、Ret)は、骨髄における赤血球の生産能力を示す指標であり、成熟する前の未熟な赤血球(網状赤血球)の数を検査するものです。
この数は、総赤血球数の約0.2~2.7%が正常範囲とされ、増加は赤血球の産生亢進(例: 溶血性貧血、出血後)、減少は産生低下(例: 再生不良性貧血)を反映します。
この検査は、貧血の評価において骨髄の反応性や赤血球の破壊(溶血)の程度を判断するために重要です。
網状赤血球数(レチクロ、Ret)の基準値
2~27(0/00)
※0/00:プロミレ:末梢血中の赤血球1000個に含まれる数
0.2~2.7(%)
目次
網状赤血球数(レチクロ、Ret)の概要
略称
網状赤血球数(レチクロ)
Ret : reticulocyte
網状赤血球とは?
網状赤血球とは、骨髄で作られたばかりの赤血球で、内部に網目状のRNA(リボソーム)を含んでいます。
末梢血に移行して約1~2日で網状構造が消失し、成熟した赤血球になります。
検査の意義
① 造血能の評価
骨髄がどの程度活発に赤血球を生産しているかを把握できます。
② 貧血の鑑別診断
高値の場合には、赤血球の破壊(溶血)が活発であるか、または体内で大量の赤血球が必要とされている状態を示します。
貧血がある場合、造血が亢進して増えることがあります。
低値の場合には、骨髄での赤血球の産生が低下していることを示します。
網状赤血球数(レチクロ、Ret)の異常とその原因
| 高値 | 低値 |
|---|---|
| ・溶血性貧血(赤血球が早く壊れる病気) ・貧血に対する治療中 ・急性出血 ・巨赤芽球性貧血や鉄欠乏性貧血の治療初期 ・新生児 | ・再生不良性貧血(骨髄で赤血球が作れない病気) ・慢性疾患に伴う貧血 ・骨髄異形成症候群 ・腎性貧血 |






