総蛋白(TP: Total Protein)とは、血液中のタンパク質の総量を測定する検査で、肝機能、腎機能、栄養状態、免疫機能の指標となります。
アルブミンとグロブリンから構成されており、数値が低い場合は低栄養、肝臓や腎臓の障害が、高い場合は脱水、多発性骨髄腫などが考えられます。
異常値が見られた場合は、追加の検査で原因を特定することが重要です。
総蛋白(TP)の基準値
6.7~8.3(g/dL)
目次
総蛋白(TP)の概要
食物から摂取された蛋白質はアミノ酸に分解され、肝臓で解毒・再合成され、各組織へ送り出されます。
血清中には100種類以上の蛋白質が存在しており、それぞれが生命維持に重要な役割を担っています。
血清中の蛋白質の主なものは、アルブミンで50~70%と大半を占め、その他にグロブリンなどがあげられます。
| 蛋白質 | はたらき |
|---|---|
| アルブミン | 血漿浸透圧の維持、ホルモン・脂肪の輸送など |
| αグロブリン | 抗動脈硬化作用、鉄・銅の運搬、感染の防御など |
| βグロブリン | 脂肪・ビタミン・ホルモン・コレステリンの輸送など |
| γグロブリン | 免疫反応(免疫グロブリン) |
略称
総蛋白
TP : total protein
総蛋白(TP)とは?
血液中に含まれるタンパク質(アルブミン、グロブリンなど)の総量を測る検査です。
肝臓で合成され、体内の細胞組織の成分になったり、ホルモンや免疫物質となったりする、人体に不可欠な物質です。
総蛋白(TP)の異常とその原因
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| ①グロブリンの増加 ・急性・慢性感染症 ・多発性骨髄腫 ・原発性マクログロブリン血症 ②アルブミン、グロブリンの増加 ・脱水、消化管閉塞 ・ショック ・アジソン病など | ①アルブミンの減少 ・蛋白尿 ・胸水・腹水など体腔内への漏出 ②アルブミンの合成障害 ・肝障害、貧血、免疫不全症 ③蛋白の異化亢進 ・悪性腫瘍 ・甲状腺機能亢進症 ・重症感染症 |
高蛋白血症
栄養過剰・脱水症、抗体の増加、異常蛋白の増加などが原因
低蛋白血症
蛋白の摂取不足、蛋白漏出、蛋白合成障害、異化亢進などが原因






