血清クレアチニン(Cr)とは、筋肉の代謝から生じる老廃物で、腎臓の機能によってろ過され尿中に排泄されます。
腎機能が低下すると体内に蓄積され、血清クレアチニンの値が高くなるため、腎臓の働きを評価する指標として用いられます。
基準値は検査施設や個人の筋肉量によって異なりますが、一般的に男性は0.6~1.1mg/dL程度、女性は0.4~0.7mg/dL程度です。
筋肉量が多い人は高値を示しやすい傾向があり、腎機能の低下を示すには腎機能の半分が低下している必要があるため、推算糸球体濾過量(eGFR)などの検査と合わせて評価されることが多いです。
男性: 0.6~1.1(mg/dL)
女性: 0.4~0.7(mg/dL)
血清クレアチニン(Cr)の概要
蛋白質代謝から生じたある種のアミノ酸が肝臓内で合成され、クレアチンになります。
クレアチンは、筋細胞内に取り込まれ、筋内、エネルギー代謝に利用され、その代謝最終産物として、クレアチニンを生じます。
クレアチニンは、腎尿細管で再吸収されることなく、ほとんどが尿中に排泄されます。
クレアチニンは、腎機能の指標としては尿素窒素(BUN)よりも優れています。
略称
血清クレアチニン
Cr:creatinine
血清クレアチニン(Cr)とは?
筋肉の代謝で生じる老廃物(クレアチンの最終代謝産物)です。
健康な状態では、腎臓でろ過され、ほとんどが尿として排出されます。
腎機能との関係
腎臓の機能(特に糸球体の濾過機能)が低下すると、老廃物であるクレアチニンが体内に蓄積し、血清クレアチニン値が上昇するため、血清クレアチニン値は腎臓の働きを評価する指標として使われます。
その他
筋肉量の影響
筋肉が多い人はクレアチニン値が高くなるため、筋肉量によって値が変動します。
初期の腎臓病の診断
腎機能が低下してから値が上昇するため、初期の腎臓病では値が正常な場合があります。
推算糸球体濾過量(eGFR)との併用
より正確な腎機能を評価するために、クレアチニン値と年齢、性別から算出されるeGFR(推算糸球体濾過量)を併せて検査することが一般的です。
血清クレアチニン(Cr)の異常とその原因
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| ・糸球体濾過率(GFR)の低下 :尿毒症、慢性腎炎、腎不全、心不全 など ・筋肉量の増加 :末端肥大症、巨人症 ・甲状腺機能亢進症 :甲状腺機能亢進症、サイロキシン投与時 | ・筋肉量の減少 :筋ジストロフィー症、多発性筋炎 など ・妊娠 ・肝障害 :急性肝不全 など |






