LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)は、ペプチドのN末端からロイシンなどのアミノ酸を切り出す酵素で、肝臓、胆道、腎臓、小腸などに広く分布しています。
肝細胞の破壊による逸脱や、胆汁のうっ滞により血液中に漏れ出すことで血中濃度が上昇するため、肝炎、胆道閉塞、胆管がん、肝硬変などの肝胆道系疾患の診断や鑑別に用いられます。
妊娠中に胎盤由来のLAPが上昇することもあるため、検査時には注意が必要です。
LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)の基準値
30~78(IU/L)
目次
LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)の概要
LAPとは、主に3種の酵素学的特性の異なる物質からなり、日常的に測定されるものは、細胞のミクロゾーム分画に存在するアリルアミダーゼ(arylamidase)と呼ばれる酵素です。
肝炎、肝硬変などの肝実質障害や、閉塞性黄疸をきたす疾患において異常値を示します。
LAPの性質と役割
細胞質LAP、膜結合性LAP、胎盤性LAPの3種類があります。
ペプチドのアミノ末端にあるアミノ酸(特にロイシン)を遊離する酵素で、肝臓(細胞質、膜結合性)、胆道、腎尿細管、腸絨毛、膵臓などに広く存在します。
LAPの検査意義
胆道閉塞
膜結合性LAPが胆汁うっ滞時に血中に増加するため、胆道系の病気(胆石症、胆管がんなど)のマーカーとなります。
肝臓病
肝細胞の破壊により細胞質LAPが血中に逸脱し、肝炎や肝硬変などの肝疾患で上昇します。
薬剤性肝障害
肝臓での酵素誘導により、薬剤性肝障害やアルコール性肝障害でも上昇が見られます。
妊娠
妊娠20週頃から胎盤性LAPが上昇し、胎児の成長と相関して増えることがあります。






