LA(ループス・アンチコアグラント)|基準値

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ループスアンチコアグラント(LA)とは、リン脂質とプロトロンビンなどの血液凝固に関わるタンパク質の複合体に対する自己抗体です。

これは血液検査で検出され、体外(in vitro)では血液凝固を遅らせる働きがあるにも関わらず、生体内(in vivo)では血栓症を起こしやすい傾向があるため、動脈硬化や習慣性流産などを引き起こす可能性があります。

LA(ループス・アンチコアグラント)の基準値

陰性


参考図書


目次

LA(ループス・アンチコアグラント)の概要

LA(ループス・アンチコアグラント)は、血中凝固因子Ⅴ・Ⅹ、リン脂質、カルシウムの複合体に対する抗体で、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)を延長させます。

全身性エリテマトーデス(SLE)等の自己免疫疾患や習慣性流産、各種の血栓症で陽性になることが多いです。

LA(ループス・アンチコアグラント)が延長する要因
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)等の自己免疫疾患
  • 習慣性流産
  • 各種の血栓症

凝固因子欠乏症では、正常血漿の添加でAPTTが改善されますが、抗リン脂質抗体陽性患者や、LA陽性患者では改善が見られません。

主な特徴

自己抗体の一種

健常者の血液中には存在せず、自己免疫疾患や血栓症、薬剤などが原因で陽性になることがあります。

in vitroとin vivoでの作用の違い

試験管内(in vitro)では、リン脂質依存性の血液凝固反応を阻害するため、凝固時間を延長させます。しかし生体内(in vivo)では、逆説的に血栓症を起こす傾向が強くなります。

検査方法

希釈ラッセル蛇毒時間(dRVVT)法やリン脂質中和法など、リン脂質を介した凝固反応の延長を利用した方法で検出されます。

主な関連疾患

抗リン脂質抗体症候群 (APS)

trombosisや習慣性流産が特徴的で、LAはその診断マーカーの一つです。

全身性エリテマトーデス (SLE)

lupus anticoagulantが発見された由来となった疾患であり、しばしば検出されます。

薬剤性

特定の薬剤(クロルプロマジン、プロカインアミド、キニジンなど)が原因で陽性になることがあります。

習慣性流産

子宮内胎児死亡や習慣性流産は、LA陽性例で高頻度に認められます。

参考図書

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