コリンエステラーゼ(ChE)は、肝臓で合成され血中に分泌される酵素で、血液検査では肝臓の合成能力の指標や、脂肪肝、栄養状態、有機リン中毒の診断に用いられます。
ChEが低値の場合は肝硬変などの肝機能障害や栄養障害、高値の場合は脂肪肝や糖尿病、甲状腺機能亢進症などが考えられます。
コリンエステラーゼ(ChE)の基準値
214~466(IU/L)
目次
コリンエステラーゼ(ChE)の概要
ChEは、コリンエステルをコリンと有機酸に加水分解する酵素で、アルブミン同様、肝臓における蛋白合成能を反映します。
ChEは、真性と偽性の2種類に分類されます。
臨床検査として日常測定されるのは血清中の偽性ChEです。
| 分布 | |
|---|---|
| 真性ChE | 神経組織、筋肉、赤血球など |
| 偽性ChE | 血清、肝臓、膵臓、心臓など |
ChEは、蛋白合成能に左右されるので、アルブミン値が並行して変動します。また、脂質代謝の影響を受け、脂質と連動して変化することもあります。
略称
コリンエステラーゼ
ChE:cholinesterase
コリンエステラーゼ(ChE)とは?
コリンエステラーゼ(ChE)は、神経伝達物質であるアセチルコリンなどのコリンエステルの分解に関与し、脂質代謝にも関わっています。
肝機能検査の項目として、肝臓の合成能力を評価するために用いられます。
真性コリンエステラーゼと、血液中で主に測定される偽性コリンエステラーゼ(ブチリルコリンエステラーゼとも呼ばれる)の2種類があり、一般的に測定されるのは血清の偽性コリンエステラーゼです。
コリンエステラーゼ(ChE)の異常とその原因
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| ・ネフローゼ症候群 ・脂肪肝 ・甲状腺機能亢進症 | ・肝臓疾患(肝硬変、肝臓癌、慢性肝炎など) ・栄養失調 ・有機リン中毒 |
高値は、肝細胞の蛋白合成能が亢進している場合に見られます。
低値は、肝機能不全による低下、有機リン中毒などで、ChEの活性が阻害された場合などに見られます。
薬物中毒の疑いがある場合は、ChE値の測定は必須になります。






