クレアチニン・クリアランス(CCr)は、腎臓がどれだけの量の血液から老廃物であるクレアチニンを除去できるかを示す、腎機能を評価する検査です。
腎機能が低下すると値が低くなり、値が低いほど腎機能が悪化していると判断されます。
検査では、一定時間の尿と血液のクレアチニン濃度を測定し、計算式を用いて腎臓でのろ過能力を算出します。
成人男性:約 90~140 mL/min
成人女性:約 80~125 mL/min
※加齢とともに低下する。
クレアチニン・クリアランス(Ccr)の概要
クレアチニンは尿細管で再吸収されないので、糸球体の濾過能力を表しています。
このことを利用し、血清クレアチニン値と尿中クレアチニン値を測定することにより、腎臓の老廃物を排出する能力がどれくらいかを知ることができます。
この腎臓の老廃物を排出する能力を表したものが「クレアチニン・クリアランス(Ccr)」です。
略称
クレアチニン・クリアランス
Ccr:Creatinine Clearance
定義
クレアチニン・クリアランス( Ccr)とは、腎臓が血液中からクレアチニンを排泄する能力を示す指標です。
糸球体濾過量(GFR: Glomerular Filtration Rate)の推定値として用いられます。
クレアチニンの特徴
クレアチニンは筋肉代謝の産物(クレアチンリン酸の分解産物)であり、ほぼ一定の速度で産生されて血中に放出されます。
血中のクレアチニンは、腎糸球体で濾過され尿中に排泄されます。
一部は尿細管で分泌されるため、Ccrは実際のGFRよりやや高めに算出される傾向があります。
検査方法
① 24時間蓄尿法
1日の尿をすべて溜め、蓄尿した尿の量とクレアチニン濃度を測定します。
同時に採血し、血清クレアチニン濃度を測定します。
これらの測定値と年齢、体重、体表面積を用いて計算式でCCrを求めます。
② 2時間蓄尿法
2時間など短い時間で蓄尿した尿のクレアチニン量を測定し、血清クレアチニン濃度からCCrを計算します。
基準値
- 成人男性: 約 90~140 mL/min
- 成人女性: 約 80~125 mL/min
※加齢とともに低下する。
臨床的意義
クレアチニンは、腎機能の指標(特にGFRの代用)として用いられ、腎疾患の診断・経過観察に使用します。
薬剤投与設計(腎排泄性薬物の投与量調整)に必須です。






