血液型検査は、輸血時などに必要な輸血製剤が患者さんの血液と適合するかどうかを確認するために行われます。
主に、赤血球の表面にある抗原を調べる「オモテ検査」と、血漿（または血清）に含まれる抗体を調べる「ウラ検査」を行い、この結果が一致することで血液型が確定します。
病院やクリニックで受けることができますが、献血をすれば無料で自分の血液型を知ることも可能です。
目次
血液型検査
血液型の検査を行う場合、ABO式、Rh式の両方をセットで検査する。
検査は、「おもて試験」と「うら試験」があり、両方が一致することで血液型が判定される。
- 「おもて試験」⇒ 赤血球上の抗原を調べる
- 「うら試験」⇒ 血清中の抗体を調べる
生後1年に満たない乳児では、抗体価が弱いため、おもて試験のみを行い、1歳を過ぎてから再度検査を行う。
血液型検査の目的
① ABO不適合輸血の防止
患者さんの血液と輸血する血液の型が異なる場合、重篤な副作用や死に至る可能性があります。
検査で両者を適合させることで、これを防ぎます。
② 妊娠に関するリスクの管理
Rh陰性の女性がRh陽性の胎児を妊娠した場合、胎児に「新生児溶血性疾患（核黄疸）」を引き起こす可能性があります。
これを防ぐためにも、血液型検査は重要です。
検査方法
採血
腕の静脈から少量の血液を採取します。
遠心分離
採血した検体を遠心分離し、赤血球成分と血漿成分に分けます。
オモテ検査
赤血球に抗A試薬（抗体）や抗B試薬（抗体）を加えて、凝集（固まる）するかどうかを観察します。
- 抗A試薬のみと凝集すれば「A型」
- 抗B試薬のみと凝集すれば「B型」
- 両方の試薬と凝集すれば「AB型」
- どちらの試薬とも凝集しなければ「O型」
ウラ検査
患者さんの血漿に標準のA型赤血球とB型赤血球を加えて、凝集するかどうかを観察します。
この検査は血液中に存在する抗A抗体や抗B抗体を調べるものです。
判定
オモテ検査とウラ検査の結果が一致して初めて、その血液型が確定されます。
もし両者の結果が一致しない場合は、判定保留とし、さらに精査が必要となります。
血液型検査の判定
| おもて試験 | うら試験 | |||
|---|---|---|---|---|
| 抗Ａ血清 | 抗Ｂ血清 | Ａ型血球 | Ｂ型血球 | |
| Ａ型 | + | － | － | + |
| Ｂ型 | － | + | + | － |
| Ｏ型 | － | － | + | + |
| ＡＢ型 | + | + | － | － |
| Ｒｈ式判定 抗Ｄ血清（反応試験） | |
|---|---|
| Ｒｈ（+）陽性 | Ｒｈ（－）陰性 |
参考図書
