ピルビン酸(pyruvic acid)|基準値

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ピルビン酸(Pyruvic acid)とは、糖質代謝(解糖系)の最終産物であり、細胞がエネルギー(ATP)を生成する過程で中心的な役割を果たす有機化合物です。

反応性が高く不安定なため、その塩であるピルビン酸ナトリウムが細胞培養のエネルギー源や、サプリメント、機能性食品に利用されます。

また、乳酸、アセチルCoA、アラニンなどの生成にも関わり、糖質・脂質・アミノ酸代謝の分岐点となる重要な物質です。

ピルビン酸(pyruvic acid)の基準値

0.3~0.9(mg/dL)


参考図書


目次

ピルビン酸(pyruvic acid)の概要

ピルビン酸は、解糖系、アミノ酸、脂肪酸代謝における重要な中間物です。

ピルビン酸が嫌気的に代謝されると、解糖系の最終産物である乳酸になります。

その血中濃度は栄養素の摂取量、生成、利用の酸素活性、組織の酸素分圧の総和として決定されるため、酸塩基平衡の異常やアシドーシスが考えられるときに、その予後判定に重要な役割を果たします。

循環障害

循環障害では、組織酸素欠乏によりピルビン酸の酸化障害を引き起こします。

肝障害

肝臓は、ピルビン酸および乳酸の処理に重要な役割を持つため、肝障害が起きるとピルビン酸の上昇をきたします。

糖尿病などの糖代謝障害における診断には、運動負荷試験やグルコース負荷試験などの検査を併せて行うことも重要です。

主な役割と性質

① エネルギー代謝の中心

解糖系でグルコースが分解されて生成され、その後ミトコンドリアでアセチルCoAに変換され、クエン酸回路(TCAサイクル)に入ってエネルギー(ATP)をさらに生み出します。

② 代謝経路の分岐点

糖質代謝だけでなく、アミノ酸代謝や脂質代謝にも関与し、生体内で様々な物質の生合成や代謝の要となっています。

③ 反応性の高さ

ピルビン酸は分子が小さく反応性が高いため、不安定な性質を持ちます。そのため、実用的な利用ではピルビン酸ナトリウムなどの塩の形が多く用いられます。

④ 食品への含まれ方

果物、野菜、赤ワイン、黒ビールなどに微量ながら含まれています。

ピルビン酸(pyruvic acid)の異常とその原因

高値の場合低値の場合
・循環不全: ショック、心筋梗塞、心不全など
・肝臓疾患: 重症肝障害、肝性昏睡など
糖原病Ⅰ型
・先天性酵素異常: フルクトース・ジホスファターゼ欠損症、ピルビン酸脱水素欠損症
・ビタミンB1欠乏症
・重金属中毒
・筋糖原病

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