糖化ヘモグロビン(HbA1c)は、血液中の血糖とヘモグロビンが結合した割合を示し、過去1~2ヶ月の平均的な血糖値を反映する検査項目です。
赤血球は寿命を終えるまで血糖値の影響を受け続けるため、短期間の食事や運動の影響を受けにくく、糖尿病のコントロール状態を把握する重要な指標となります。
HbA1c値が高いと、血管にダメージを与え、糖尿病の合併症(神経障害、網膜症、腎症、心臓病など)のリスクが高まるため、早期の医療機関受診と生活習慣の改善が重要です。
4.3~5.8(%)
糖化ヘモグロビン(HbA1c)の概要
糖化ヘモグロビン(グリコヘモグロビン)(HbA1c)とは、蛋白質(ヘモグロビンのアミノ基)とブドウ糖が非酵素反応により結合したものです。
体内の蛋白質は、高血糖状態であるほど糖化される割合が高くなります。
糖化ヘモグロビンでは、赤血球の寿命(120日)から、糖尿病患者の1~2ヶ月前の血糖のコントロール状態(平均血糖値)が分かります。
糖化ヘモグロビン(HbA1c)に関連する他の検査として、フルクトサミンや1,5AG(1,5アンヒドロ-D-グルシトール)があります。
略称
糖化ヘモグロビン
グリコヘモグロビン
HbA1c:hemoglobin A1c
HbA1cとは?
HbA1cとは血液中のヘモグロビンに結合したブドウ糖(血糖)の割合をパーセント(%)で表した数値です。
採血時の血糖値とは異なり、赤血球の平均寿命(約120日)に比例して長期の平均血糖値を反映します。
当日の食事や運動、ストレスなどの影響を受けにくいため、現在の糖尿病のコントロール状態を把握するのに適しています。
HbA1cが高い状態とは?
過去1~2ヶ月にわたり、慢性的に血糖値が高い状態が続いていたことを示します。
HbA1c値が慢性的に高い状態を放置すると、糖尿病の三大合併症である糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症など、目・神経・腎臓への合併症が引き起こされるリスクが高まります。
また、動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞などの大血管障害のリスクも上昇します。
糖化ヘモグロビン(HbA1c)の異常とその原因
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| ・糖尿病 ・腎不全 ・異常ヘモグロビン血症 | ・赤血球寿命の短縮、多量出血、溶血性貧血 ・異常ヘモグロビン血症 |






