硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)、チモール混濁試験(TTT)|基準値

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硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)とチモール混濁試験(TTT)は、血清中のタンパク質、特にγ-グロブリンの増加を測定し、肝機能障害や慢性肝炎、肝硬変などの診断に用いられる「血清膠質反応」と呼ばれる検査です。

TTTはチモール試薬を、ZTTは硫酸亜鉛試薬を血清に加えて生じる混濁度を比色測定し、タンパク質のコロイド安定性の変化を評価します。

硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)、チモール混濁試験(TTT)の基準値

硫酸亜鉛混濁試験(ZTT): 4~12(U)

チモール混濁試験(TTT) : 0~5(U)


参考図書


目次

硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)、チモール混濁試験(TTT)の概要

硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)、チモール混濁試験(TTT)は、ともに血清膠質反応の代表的な検査で、アルブミンとグロブリンの量的変化を沈殿反応としてみる方法です。

略称

硫酸亜鉛混濁試験
ZTT:zinc sulfate turbidity test

チモール混濁試験
TTT:thymol turbidity test

硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)は?

血清に硫酸亜鉛液を加えることにより、γ-グロブリンと亜鉛イオン(Zn2+)が反応して生成する混濁を測定する方法です。

混濁度がγ-グロブリンの濃度と比例することを利用し、肝臓機能を調べます。

チモール混濁試験(TTT)は?

血清蛋白中のγ-グロブリン、β-グロブリンがチモールと反応して生成する混濁を測定する方法です。

グロブリンの増加で混濁度を増し、アルブミンの減少で混濁度は低下するため、混濁度により血清中蛋白の構成比異常の変動が分かります。

また、脂質やリポ蛋白の増加でも混濁度が増します。

チモール混濁試験(TTT)は、食事の影響を受けるので、空腹時に採血します。

検査の目的

肝機能障害の評価

肝硬変などの慢性肝障害では、血清中のγ-グロブリンが増加するため、これらの検査で肝機能の状態を把握できます。

膠原病の検査

ZTTやTTTは、血清中の蛋白の一種であるγ-グロブリンが増加し、アルブミンが減少する膠原反応を反映するため、膠原病の指標としても用いられます。

硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)、チモール混濁試験(TTT)の異常とその原因

ZTTが高値の場合TTTが高値の場合
肝臓病
・肝硬変で著明に増加
・慢性肝炎、肝臓癌  等
肝臓障害
・ウイルス性肝炎など肝実質障害
・急性・慢性肝炎、肝硬変  等
 (閉塞性黄疸では正常)

γ-グロブリンが増加する疾患(慢性炎症、膠原病など)では、硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)、チモール混濁試験(TTT)ともに陽性を示します。

参考図書

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