交差適合試験(クロスマッチ試験)|基準値

  • URLをコピーしました!

交差適合試験(クロスマッチ試験)は、輸血を行う前に、輸血用血液が患者の血液と適合するかを試験管内で確認する重要な検査です。

目的は、ABO不適合輸血やその他の血液型不適合による重篤な副作用を防ぐことです。

試験では、患者の血液と輸血する血液を混合し、凝集反応や溶血反応が起こらないかを調べます。

反応がない場合は適合と判断され輸血が可能ですが、反応がある場合は不適合となり輸血はできません。


参考図書


目次

交差適合試験の概要

 輸血副作用を事前に防ぐために行う検査です。

交差適合試験には、主試験と副試験があり、自己抗体の検出のために自己対照を立てて行います。

主試験、副試験ともに、凝集および溶血がみられなかったものが輸血に使用されます。

主試験

患者の血清と輸血用血液の赤血球を反応させ、患者の血清中に輸血する赤血球に対する抗体があるかどうかを調べます。臨床的に意義のある不規則抗体の検出を主な目的とします。

副試験

患者の赤血球と輸血用血液の血漿を反応させ、輸血用血液の血漿中に患者の赤血球に対する抗体があるかどうかを調べます。ただし、患者の血液型検査や不規則抗体スクリーニングが適切に行われている場合、この副試験は省略することがあります。

試験の種類
主試験受血者血清 + 供血者血球
副試験受血者血球 + 供血者血清
自己対照受血者血球 + 受血者血清

検査結果と輸血の可否

試験結果が陰性(反応なし)であれば適合と判断され、輸血が可能になります。

凝集反応や溶血反応が確認された場合は不適合と判断され、原則として輸血できません。

主試験副試験輸血の適否
++輸血不可
+輸血不可
+原則的に不可
輸血適合

検査のタイミングと注意点

採血のタイミング

血液型検査とは別の時期に、輸血を行う日の3日以内(72時間以内)に新たに採血した検体を使用することが推奨されています。

緊急輸血

緊急の場合や、血液型検査が不確実な場合、交差適合試験用の検体で再度血液型検査を行い、検査結果の信頼性を高めることがあります。

参考図書

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次