血清リン(P)は、血液中に含まれるリン(Phosphorus)の量を測定する生化学検査で、骨や細胞の重要な構成要素です。
骨や軟部組織に大部分が存在し、カルシウムとのバランスを保ち、神経や筋肉の働き、エネルギー代謝に関与します。
高値は腎機能低下や副甲状腺機能低下症、低値は副甲状腺機能亢進症やビタミンD欠乏などが考えられ、リンの異常はカルシウムとリンの代謝異常、ひいては骨や血管の病気につながる可能性があります。
血清リン(P)の基準値
2.5~4.7(mg/dL)
目次
血清リン(P)の概要
生体内でのリンは、80~90%が骨や歯に含まれカルシウムと共存していて、高エネルギーリン酸化合物、核酸、酸塩基平衡の干渉物として重要な役目を果たしています。
主な役割
① 骨と歯の形成
リンはカルシウムとともに骨や歯を構成する主要な成分です。
② エネルギー代謝
ATP(アデノシン3リン酸)などの高エネルギーリン酸化合物の成分となり、エネルギー代謝に不可欠です。
③ 細胞膜・核酸の構成
リン脂質、核酸など、細胞の構成に不可欠な有機化合物の成分です。
④ 神経・筋肉機能
リンは神経伝達や筋肉の機能にも関与しています。
血清リン(P)の異常とその原因
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| ・副甲状腺機能低下症 ・腎不全 ・多量の細胞崩壊 | ・副甲状腺機能亢進症 ・ビタミンD欠乏症 ・ビタミンD不足(くる病、骨軟化症) ・尿細管性アシドーシス |






