ALPアイソザイム|基準値

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ALP(アルカリフォスファターゼ)のアイソザイムとは、ALPが生成される臓器によって構造が少し異なる酵素のことです。

ALPの総量が高い場合に、アイソザイムの種類を調べることで原因となっている臓器を特定することができます。

主なアイソザイムには、肝臓由来のALP2、骨由来のALP3、胎盤由来のALP4、小腸由来のALP5などがあり、それぞれ特定の疾患で増加傾向を示すため、診断の手がかりとなります。

ALPの基準値

115~359(IU/L)

アイソザイム臓器由来主な疾患・状態
ALP1高分子ALP胆管の閉塞・胆道結石症など
ALP2肝性急性肝炎、胆汁うっ滞など
ALP3骨性骨粗鬆症、悪性腫瘍の骨転移など
ALP4胎盤性妊娠後期、一部の悪性腫瘍など
ALP5小腸性慢性肝炎、肝硬変、糖尿病など
ALP6免疫グロブリン結合ALP潰瘍性大腸炎など

参考図書


目次

ALPとアイソザイムの概要

略称

ALP:alkaline phosphatase
アルカリ性フォスターゼ

ALPとアイソザイムの機序

ALPアイソザイムは、アルカリフォスファターゼ(ALP)という酵素のアイソザイム(同位酵素)を指します。

主に肝臓、骨、胎盤、小腸などに由来する複数の種類が存在し、ALPアイソザイムを調べることで、ALP高値の原因となっている臓器を特定し、疾患の診断や経過観察に役立てることができます。

ALPアイソザイムの種類と由来臓器

アイソザイム臓器由来主な疾患・状態
ALP1高分子ALP胆管の閉塞・胆道結石症など
ALP2肝性急性肝炎、胆汁うっ滞など
ALP3骨性骨粗鬆症、悪性腫瘍の骨転移など
ALP4胎盤性妊娠後期、一部の悪性腫瘍など
ALP5小腸性慢性肝炎、肝硬変、糖尿病など
ALP6免疫グロブリン結合ALP潰瘍性大腸炎など

ALPアイソザイム検査の意義

ALPアイソザイム検査は、以下のような場合に有用です。

  • ALP高値の原因が肝臓、骨、胎盤、小腸のいずれにあるかを特定する
  • 肝臓疾患、骨疾患、胎盤機能、小腸疾患などの診断や経過観察を行う
  • 特に、肝・胆道系の疾患や骨代謝亢進状態のスクリーニング

ALPの異常とその原因

高値の場合低値の場合
1. 骨疾患
 ・クル病
 ・悪性骨腫瘍
 ・副甲状腺機能亢進症

2. 肝胆道疾患
 ・閉塞性黄疸
 ・肝臓癌
 ・肝疾患
 ・胆管癌
 ・胆道炎

3. 妊娠後期

※各アイソザイムは、下記の臓器障害で上昇
  ALP1  肝臓
  ALP2  肝臓、胆道系疾患
  ALP3  骨、副甲状腺機能亢進症
  ALP4  胎盤(妊娠後期)、肺、膵臓
  ALP5  肝臓、小腸
  ALP6  大腸、骨、肝臓
・慢性腎炎
・壊血病
・甲状腺機能低下症

参考図書

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