「医療区分⑦:頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う)」をわかりやすく解説|【処置等に係る医療区分:医療区分2】

  • URLをコピーしました!

療養病棟入院基本料を算定する療養病棟では、入院患者の医療区分・ADL区分の評価を毎日行い、その結果を「医療区分・ADL区分等に係る評価票」に記入するようになっています。

そして、その評価には「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を用いるようになっています。

この記事では、「評価の手引き」に記載されている医療区分の項目について分かりやすく解説します。

※「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」の概要については以下の記事をご参照ください。

あわせて読みたい
「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を理解する 療養病棟入院基本料を算定する療養病棟では、入院患者の医療区分・ADL区分の評価を毎日行い、その結果を「医療区分・ADL区分等に係る評価票」に記入します。その評価は「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を用いるようになっているため、評価を行うスタッフは、評価の手引きをしっかり理解しておく必要があります。

参考図書


目次

医療区分の概要(医科点数表の解釈)

医療区分「頻回の嘔吐に対する治療」は、医科点数表の解釈において以下のように記載されています。


7. 頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態に限る。)

項目の定義
頻回の嘔吐に対する治療を実施している場合(1日に複数回の嘔吐がある場合に限る。)
評価の単位
1日毎
留意点
発熱に対する治療が行われている場合に限る。

嘔吐のあった日から3日間は、本項目に該当する。

語句の説明

「頻回の嘔吐」とは?

頻回の嘔吐とは、短時間のうちに何度も嘔吐を繰り返す状態を指します。

これは、急性胃腸炎、周期性嘔吐症(自家中毒)、腸重積症などの病気によるものや、咳のしすぎ、激しいストレス、飲酒などが原因で起こることもあります。

「医療区分の概要」に戻る≫≫

「発熱」とは?

日本の感染症法において「発熱を37.5℃以上、高熱を38℃以上」と定義されています。

また、体温は早朝に低く夕方に高くなるため、1日の中で約1℃の日内変動があると言われ、学術的にハリソン内科学では「午前の体温で37.2℃以上、午後の体温で37.7℃以上を発熱と定義する」と記載されています。

加えて、平熱が低い人の場合には、感染症法やハリソン内科学で定義された体温より低くても、発熱と捉える必要があります。

「医療区分の概要」に戻る≫≫

評価の要点

【処置等に係る医療区分⑦】頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態に限る。)

分類医療区分算定期間評価の単位
処置等医療区分2期間に限りあり嘔吐のあった日から3日間

「発熱を伴う頻回の嘔吐」に対して、治療をしていることを確認します。

頻回の嘔吐とは、1日に複数回の嘔吐がある場合になります。

頻回の嘔吐があった日から、3日間は本項目に該当することになります。

医療区分の該当要件に当てはまるかを確認し、算定期間の要件に注意して評価票に記入をすることが大切です。

評価のチェックポイント

評価のチェックポイントを確認して、評価ミスや記入漏れがないようにしましょう。

該当要件のチェックポイント
1日に複数回(2回以上)の嘔吐がある。
頻回の嘔吐に加えて、発熱を伴う状態である。
嘔吐の原因が考察され、適切な治療を実施している。                        
[内服、輸液など]
算定期間のチェックポイント
1日毎に評価を行っている。
嘔吐があった日から3日間は本項目に該当する。
再度、頻回の嘔吐を認めた場合は、その都度、その日より3日間は当該項目に該当する。        

評価の考え方・記入例

評価票の考え方と記入例です。

頻回の嘔吐に対する治療を4日間継続、5日目に寛解

11/1に複数回の嘔吐に加えて、発熱があることを確認。

その後、その状態が4日間継続し、5日目に寛解。

日付症状・治療評価票
11/1頻回の嘔吐と発熱、治療開始該当(1日目)
11/2症状継続該当(1日目)
11/3症状継続該当(1日目)
11/4症状継続該当(1日目)
11/5寛解該当(2日目)
11/6症状なし該当(3日目)
11/7症状なし非該当(4日目)
11/8症状なし非該当

頻回の嘔吐と発熱に対する治療をした日から3日間は、本項目に該当します。

note掲載:販売中

医療区分の評価や分析を簡単にするために、Excelシートを販売しています。

業務でご活用ください。

  • 患者単位の医療区分2・3の割合(重症度割合)
  • 病棟単位の医療区分2・3の割合(重症度割合)
  • 病棟単位の医療区分の内訳(割合)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次