「医療区分㊳:1日8回以上の喀痰吸引」をわかりやすく解説|【処置等に係る医療区分:医療区分2】

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療養病棟入院基本料を算定する療養病棟では、入院患者の医療区分・ADL区分の評価を毎日行い、その結果を「医療区分・ADL区分等に係る評価票」に記入するようになっています。

そして、その評価には「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を用いるようになっています。

この記事では、「評価の手引き」に記載されている医療区分の項目について分かりやすく解説します。

※「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」の概要については以下の記事をご参照ください。

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参考図書


目次

医療区分の概要(医科点数表の解釈)

医療区分「1日8回以上の喀痰吸引」は、医科点数表の解釈において以下のように記載されています。


38. 1日8回以上の喀痰吸引

項目の定義
1日8回以上の喀痰吸引
評価の単位
1日毎
留意点
本項目でいう1日8回以上の喀痰吸引とは、夜間を含め3時間に1回程度の喀痰吸引を行っていることをいう。

語句の説明

「喀痰吸引」とは?

喀痰吸引(かくたんきゅういん)とは、吸引装置を使用して、口や鼻、気管カニューレなどに溜まった痰(たん)や唾液、鼻汁などを吸い取ることです。

自力で痰を排出しきれない人が、窒息や肺炎(誤嚥性肺炎)を起こすのを防ぐ目的で行われます。

もともとは医療行為ですが、研修を受けた介護職員などでも行えるようになりました。

喀痰吸引の目的
呼吸の確保溜まった痰を吸引することで、呼吸が楽になります。
肺炎の予防痰が肺に入り込むと、誤嚥性肺炎の原因となるため、それを防ぎます。
窒息の予防痰が気道に詰まることによる窒息や呼吸困難を防ぎます。
主な吸引の種類
口腔内吸引吸引器を口の中に入れて痰を吸引します。
鼻腔内吸引吸引器を鼻の穴から挿入して痰を吸引します。
気管カニューレ内吸引人工呼吸器などを使用している場合、気管カニューレの内部から吸引します。

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「夜間を含め3時間に1回程度の喀痰吸引」とは?

「夜間を含め3時間に1回程度の喀痰吸引」とは、1日あたり8回以上(約3時間ごとに1回の頻度)の喀痰吸引が継続的に必要な状態を指します。

1日24時間を約3時間で割ると8回になります。

つまり、昼夜を問わず常に一定の頻度で痰を取り除かなければ、呼吸困難や肺炎などのリスクが高まる状態であることを示しています。

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評価の要点

【処置等に係る医療区分㊳】1日8回以上の喀痰吸引

分類医療区分算定期間評価の単位
処置等医療区分2期間に限りなし1日毎

1日8回以上の喀痰吸引を行っていることを確認します。

1日8回以上の喀痰吸引は、夜間を含め3時間に1回程度の喀痰吸引を行っている場合に限ります。

医療区分の該当要件に当てはまるかを確認し、算定期間の要件に注意して評価票に記入をすることが大切です。

評価のチェックポイント

評価のチェックポイントを確認して、評価ミスや記入漏れがないようにしましょう。

該当要件のチェックポイント
1日8回以上の喀痰吸引を実施している状態である。           
夜勤帯を含め、3時間に1回程度の喀痰吸引を実施している。                     
一度に複数回の吸引を実施しても、1回と数えている。
喀痰吸引を実施した場合、診療録等に記録している。
算定期間のチェックポイント
1日毎に評価を行っている。                                 

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