尿比重は、尿が持つ濃さを表す数値で、尿中に含まれる固形成分(老廃物など)の量によって変動します。
脱水や糖尿病などで高値を示したり、腎不全や尿崩症などで低値を示したりします。
この検査は、腎臓の水分調節機能や尿濃縮能力を評価するのに役立ちます。
尿比重の基準値
1.015~1.025
目次
尿比重の概要
尿比重は、尿中の溶質の重量によって変化します。
通常は、1.015~1.025の範囲にあり、1.030以上の場合を高比重尿(濃縮尿)、1.010以下の場合を低比重尿(希釈尿)と呼びます。
| 高比重尿 | 低比重尿 |
|---|---|
| 1.030以上 | 1.010以下 |
尿比重とは?
尿の濃度を示す数値で、水の密度との比を表します。
尿中の尿素、尿酸、クレアチニンなどの老廃物や電解質の量が、尿比重の数値に影響します。
尿浸透圧値
尿比重と並行して増減するものに「尿浸透圧値」があります。
尿浸透圧値は、通常200~800mOsm/kg(ミリオスモル/kg)であり、これより増加する場合には高浸透圧尿(850mOsm/kg以上)、減少する場合には低浸透圧尿(200mOsm/kg以下)と呼びます。
- 通常200~800mOsm/kg(ミリオスモル/kg)
- 高浸透圧尿(850mOsm/kg以上)
- 低浸透圧尿(200mOsm/kg以下)
尿比重で分かること
① 腎臓の水分調節機能
腎臓は体内の水分量を一定に保つため、状況に応じて濃い尿や薄い尿を作ります。尿比重の変動を見ることで、この機能に異常がないかを確認できます。
② 腎機能の評価
腎臓の機能が低下すると、適切な濃縮・希釈ができなくなり、尿比重の調整が難しくなります。
尿比重の異常とその原因
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| 高比重尿(濃縮尿): 1.030以上 ・脱水症 ・熱性疾患 ・糖尿病(多尿で高比重となる) ・心不全 | 低比重尿(希釈尿) ・尿崩症(多尿で比重が低い) ・腎不全(乏尿で比重が低い) ・慢性腎盂腎炎 ・多量の水分摂取 |






