尿蛋白|基準値

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尿蛋白とは、健康な状態ではごく少量しか尿に排出されないタンパク質が、何らかの異常により多量に検出される状態です。

これは腎臓のろ過機能の異常を示唆するサインで、持続的な場合は腎臓病など病気の可能性があり、健康診断で陽性と判定された場合は、再検査や精密検査で原因を特定し、適切な対応をとることが重要です。

一時的な原因(激しい運動、発熱、ストレス、脱水など)を除去することで解消されることもありますが、安易に判断せず、医師に相談しましょう。

尿蛋白の基準値

定性 : (-)

定量 : 150(mg/日)以下


参考図書


目次

尿蛋白の概要

尿蛋白は、健常者であってもわずかながら尿中に排泄されています。

健常者の尿蛋白は1日尿で150mg以下とされていて、通常、30mg/dLで蛋白尿と呼ばれます。

ただ、蛋白尿にも病的なものだけではなく、生理的なもの(生理的蛋白尿)があるので、健常者でも生理的蛋白尿が一過性に見られることがあります。

尿蛋白の検査方法

尿蛋白の検出には、試験紙法(定性・判定量検査)と化学的方法(定量検査)の2種類があります。

検査方法検出最低値
試験紙法
(定性・判定量検査)
20mg/dL
化学的方法
(定量検査)
2mg/dL

試験紙法の検査手技は簡便ですが、検出最低値は高く、しっかり尿蛋白を検査することができます。

化学的方法の検査手技は煩雑ですが、微量の蛋白の検出も可能です。

尿蛋白の主なものは、アルブミン、グロブリンなどの血漿蛋白由来のものですが、多発性骨髄腫などの疾患では、ベンズ・ジョーンズ蛋白と呼ばれる特殊蛋白が出現します。

尿蛋白が出やすい状況・原因

生理的な要因(一時的なもの)腎臓の異常(病気によるもの)
・激しい運動
・発熱
・ストレス
・脱水症状
・長時間の立位
・腎臓の糸球体(フィルター)の障害によるタンパク質の漏出
・高血圧
・慢性腎臓病(CKD)
・膠原病などの全身性疾患

尿蛋白が高値の場合

尿蛋白が高値の場合には、以下のことが考えられます。

腎前性蛋白尿・発熱(急性感染症)
・心不全
・悪性腫瘍
・内分泌疾患
・高血圧
腎性蛋白尿・糸球体腎炎
・ネフローゼ症候群
・糖尿病性腎症
・ループス腎炎(SLE)
・急性尿細管壊死
・腎結石
・腎腫瘍
腎後性蛋白尿・尿路感染症
・尿路結石
・尿路腫瘍
・前立腺疾患
生理的蛋白尿運動後や入浴後にみられる運動性蛋白尿や起立性蛋白尿などが含まれる。

参考図書

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