尿中にアルブミンが検出されるのは腎臓の障害、特に糖尿病性腎症の早期段階を示す重要なサインです。
健康な状態ではアルブミンは尿中にほとんど排出されませんが、糸球体が傷つくと、高感度な検査で早期に検出されることがあります。
尿中微量アルブミン検査は、腎機能が低下し始める前の初期段階で腎症を発見し、適切な治療介入によって透析導入などの重症化を防ぐことが可能です。
蓄尿法: 2~20mg/日、または22mg/日以下
その他、クレアチニン濃度で補正したアルブミン指数(10mg/g・Cr以下)など
尿中アルブミンの概要
尿中のアルブミン排泄は、各種腎疾患における、腎糸球体障害の有無あるいは重症度の指標になります。
糖尿病における腎障害(糖尿病性腎症)の早期発見に対し、尿中アルブミンの検出は有用で、検出による糖尿病性腎症の早期発見と治療方針の早期確立によって、糖尿病性腎症の進行を抑制することが可能になります。
また、糖尿病以外の二次性腎疾患(全身性エリテマトーデス(SLE)、アミロイドーシス)、高血圧、うっ血性心不全、慢性糸球体腎炎においても尿中アルブミンは高値になるので、腎糸球体障害の指標になります。
尿中アルブミンの主な意義
① 腎臓の早期障害の発見
アルブミンはタンパク質の一種で、通常、腎臓の糸球体を通過しません。糸球体が障害されると、最初にアルブミンが尿中に漏れ出るため、尿中アルブミンの増加は腎臓のSOSシグナルとなります。
② 糖尿病性腎症のスクリーニング
糖尿病の合併症である糖尿病性腎症は、日本人の透析導入原因の第一位です。尿中微量アルブミン検査は、尿蛋白の定性検査では陰性でも、腎症が進行する初期段階で検出できるため、重要な診断ツールとなります。
③ 心血管イベントの予測
微量アルブミン尿は、糖尿病の有無に関わらず、心血管事故(心筋梗塞など)を予測する危険因子とも考えられています。
検査と評価
尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)
検査では、尿中アルブミンとクレアチニンの比率(アルブミン/クレアチニン比:ACR)を測定します。この値が一定の基準値(通常30 mg/g・クレアチニン未満)を超えると、微量アルブミン尿と診断され、腎機能の低下が考えられます。
随時尿検査
通常の尿検査とは異なり、高感度の試験紙法などを用いて微量のアルブミンを測定します。
繰り返し検査の必要性
一度の検査だけでは判断が難しい場合もあるため、日を改めて複数回検査を行い、診断を確定することが重要です。
尿中アルブミンが高値の場合
尿中アルブミンが高値の場合には、以下のことが考えられます。
- 糖尿病性腎症
- 全身性エリテマトーデス(SLE)、アミロイドーシス
- 高血圧
- うっ血性心不全
- 慢性糸球体腎炎






