可溶性インターロイキン2レセプター(sIL-2R)|基準値

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可溶性インターロイキン2受容体(sIL-2R)は、活性化したリンパ球から血中に遊離したIL-2受容体のα鎖で、免疫の活性化に伴い血中濃度が上昇します。

悪性リンパ腫や成人T細胞白血病(ATL)などの診断補助、治療効果の判定、再発の早期発見に用いられる検査項目です。

可溶性インターロイキン2レセプター(sIL-2R)の基準値

190~650(U/mL)以下


参考図書


目次

可溶性インターロイキン2レセプター(sIL-2R)の概要

可溶性インターロイキン2レセプター(sIL-2R)は、成人T細胞白血病(ATL)や悪性リンパ腫、自己免疫疾患、膠原病などで高値を示します。

そのため、成人T細胞白血病(ATL)や悪性リンパ腫における経過観察や、膠原病や自己免疫疾患、AIDSなどの経過観察および活動性の指標として検査を行います。

他検査との併用として、LDH、CRP、赤沈値、抗HTLV-1、血液像などを調べたり、CTなどの画像検査によってリンパ節や肝・脾腫大などを調べたりします。

また、リンパ節生検などの病理組織検査で確定診断を行います。

sIL-2Rとは?

インターロイキン2受容体(IL-2R)はT細胞などの表面に発現するタンパク質で、α鎖、β鎖、γ鎖の3つから構成されていますが、IL-2Rのα鎖が、酵素によって切断され血中に遊離したものがsIL-2Rです。

sIL-2Rは、免疫細胞の活性化や増殖を調節するIL-2の受容体の一部であり、活性化したリンパ球の細胞膜に存在するものが、血中に放出されます。

sIL-2R検査の臨床的意義

免疫活性化の指標

免疫防御機構の活性化に伴い血中濃度が上昇するため、免疫系の異常を示す指標となります。

悪性リンパ腫・ATLの診断・経過観察

診断補助:非ホジキンリンパ腫やATLなどの診断を補助するために用いられます。

また、治療効果判定・再発監視:治療の成果を判定したり、がんの再発を早期に発見する際にも活用されます。

その他の疾患への応用

膠原病、間質性肺炎、ウイルス感染症、結核など、免疫系の活性化を伴うさまざまな疾患でも高値を示すことがあります。

sIL-2Rが高値の場合

可溶性インターロイキン2レセプター(sIL-2R)が高値の場合には、以下のことが考えられます。

  • 成人T細胞白血病(ATL)
  • 悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)
  • 自己免疫疾患(関節リウマチ・全身性エリテマトーデスなど)
  • 膠原病
  • 間質性肺炎
  • 多発性骨髄腫
  • AIDS(HIV感染)

その他の腫瘍マーカー

各種臓器の癌腫瘍マーカー
肺癌腺癌SLX
CEA(癌胎児性抗原)
扁平上皮癌SCC
CYFRA(シフラ)
小細胞癌NSE
ProGRP
食道癌SCC
CYFRA(シフラ)
肝臓癌AFP
PIVKA-Ⅱ
乳癌CA15-3
CEA(癌胎児性抗原)
胆嚢・膵臓癌CEA(癌胎児性抗原)
CA19-9
・CA-50
・DUPAN-2
・Span-1
胃・大腸癌CEA(癌胎児性抗原)
・STN(シアリルTn抗原)
前立腺癌PSA(前立腺特異抗原)
卵巣癌CA125
・CA130
・CA72-4
絨毛癌HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

参考図書

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