精液検査は、男性の妊活において生殖能力を評価する重要な検査であり、精子の数、運動率、形などを調べることで不妊原因の特定や適切な妊活・不妊治療の方針決定に役立ちます。
検査には「禁欲期間」の厳守や「採取時の注意」があり、結果を正確に把握するためにも、専門の医療機関で正しい方法で検査を受けることが大切です。
| 精液検査 | 基準値 |
|---|---|
| 性状 | 淡黄~灰白色 pH:7.2~7.8 |
| 精液量 | 1~6(ml) |
| 精子数 | 10~60(×106/ml)以上 |
| 運動率 | 20~70(%)以上 |
| 奇形率 | 20~60(%)以下 |
精液検査の概要
男性不妊の診断を目的として行われます。
検査方法は、3~5日程度の禁欲期間のあとに用手法(自慰行為)によって容器内に直接採取します。
運動率などの測定を行うため、採取したあとは一定時間(1時間)で検査を進めていきます。
精液検査の方法
- 3~5日程度の禁欲
- 用手法(自慰行為)により容器内に直接採取
- 採取後一定時間(1時間)で実施
精液検査で調べられる項目
① 精液量(精液の量)
正常な精液量は1.4ml以上が目安で、極端に少ない場合は逆行性射精などが疑われます。
② 精子濃度(精子の数)
精液1mlあたりの精子の数で、数が多いほど妊娠の可能性が高まります。
③ 精子運動率(精子の運動量)
精子の中で動きのある精子の割合で、運動している精子が多い方が妊娠に有利です。
④ 正常形態率(精子の形)
精子の中の正常な形の割合で、正常な形をした精子が多いほど妊娠の可能性が高まります。
⑤ 精子の外観異常
精液の色調や出血の有無、ゼリー状物質の異常なども確認されます。
検査を受ける際の注意点
① 禁欲期間
検査前に2~3日(理想は2~3日、WHOでは2~7日間)の禁欲期間を設けることが推奨されます。短すぎると精子の量が少なくなり、長すぎると酸化ストレスを受けた古い精子が増え、質が低下する可能性があります。
② 採取方法
原則としてマスターベーションで採取します。通常のコンドームには殺精子剤が含まれている場合があるため使用を避けます。
③ 採取場所
自宅で採取した精液を1時間以内に持参するのが理想的ですが、遠方の場合はクリニックでの採取が推奨されます。
精液検査が役立つケース
① 妊活の第一歩
男性側の不妊原因を調べるファーストステップとして行う場合
② ブライダルチェック
これから結婚するカップルが、将来の妊活に備えて精液検査を受ける場合
③ 不妊治療の方針決定
タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精など、適切な不妊治療法を選択するための情報になります。
④ 男性不妊の診断
精索静脈瘤、性感染症、がん治療後の精子減少など、男性不妊につながる病気の診断や治療






