SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)は、皮膚、肺、食道、子宮頸部、頭頸部などの扁平上皮がんの診断、治療効果の判定、再発の早期発見に用いられる腫瘍マーカーです。
扁平上皮細胞の増殖により血中に増加するため、進行した扁平上皮がんのモニタリングに有用ですが、扁平上皮が存在する良性疾患や採血時の混入などでも高値を示すことがあるため、単独でがんの有無を診断する目的には適していません。
1.5(ng/mL)以下(CLIA法)
SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)の概要
SCC抗原量を測定することにより、扁平上皮癌の有無を推測します。
SCC抗原は子宮頸部扁平上皮癌の組織から精製された蛋白で、扁平上皮癌が発生しやすい子宮頸部、肺、頭頸部、食道などの腫瘍マーカーとして有用です。
SCC抗原量は、診断補助だけではなく、予後、治療効果、再発のフォローアップとしても用いられます。
初期癌では陽性率は低いですが、進行癌では陽性率が高いのが特徴です。
癌を疑う場合には、画像診断、細胞診、組織診などで確認します。SCC抗原は、肺癌の組織型の決定にも有用です。
略称
SCC抗原
squamous cell carcinoma related antigen
SCC抗原とは?
扁平上皮がん関連抗原(Squamous Cell Carcinoma Antigen)の略で、扁平上皮がん細胞が増殖する際に産生されるタンパク質です。
皮膚、口腔内、食道、肺、子宮頸部など、体の表面や粘膜を覆う「扁平上皮」の細胞で認められます。
主な用途
扁平上皮がんの診断補助
肺がん、子宮頸部がん、頭頸部がん、食道がんなど、各種扁平上皮がんの診断の参考として用いられます。
治療効果の判定
治療によりSCC抗原の数値が低下することで、治療が効果的であることを示します。
再発・進行のモニタリング
がんの再発や進行に伴って数値が上昇することがあり、病気の勢いを見る指標として用いられます。
SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)が陽性の場合
SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)が陽性の場合には、以下のことが考えられます。
- 扁平上皮癌
・子宮頸部癌
・肺癌
・頭頸部癌: 咽頭癌、喉頭癌など
・食道癌
・皮膚癌
その他の腫瘍マーカー
| 各種臓器の癌 | 腫瘍マーカー | |
|---|---|---|
| 肺癌 | 腺癌 | ・SLX ・CEA(癌胎児性抗原) |
| 扁平上皮癌 | ・SCC ・CYFRA(シフラ) | |
| 小細胞癌 | ・NSE ・ProGRP | |
| 食道癌 | ・SCC ・CYFRA(シフラ) | |
| 肝臓癌 | ・AFP ・PIVKA-Ⅱ | |
| 乳癌 | ・CA15-3 ・CEA(癌胎児性抗原) | |
| 胆嚢・膵臓癌 | ・CEA(癌胎児性抗原) ・CA19-9 ・CA-50 ・DUPAN-2 ・Span-1 | |
| 胃・大腸癌 | ・CEA(癌胎児性抗原) ・STN(シアリルTn抗原) | |
| 前立腺癌 | ・PSA(前立腺特異抗原) | |
| 卵巣癌 | ・CA125 ・CA130 ・CA72-4 | |
| 絨毛癌 | ・HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン) | |






