PSP試験とは、赤色の色素PSP(フェノールスルホンフタレイン)を静脈注射し、一定時間内に体外へ排泄されるPSPの量から、腎機能、特に腎血流量や近位尿細管の機能を評価する検査です。
静注後に排尿するたびに、注入したPSPの何パーセントが排泄されたかを測定し、その排泄率、特に「15分値」が腎機能の状態を知るための指標となります。
尿中PSP排泄率の正常値
15分後: 約25~35(%)
30分後: 約35~45(%)
60分後: 約50~65(%)
目次
PSP試験の概要
PSP試験(phenol sulfonphthalein test:フェノールスルホンフタレイン試験)は、かつて腎臓の尿細管の排泄機能を評価するために行われていた検査です。
現在では、より正確な検査として「クレアチニンクリアランス」や「eGFR」などが普及したため、ほとんど実施されなくなっています。
検査のながれ
- 患者に排尿させる
- 500mL飲水
- 30分後、PSP1.0mL静注
- 15分・30分・60分後の全尿を採取
- 尿中に排泄されたPSPを測定
検査の基準値
尿中PSP排泄率の正常値
| 時間 | 尿中PSP排泄率 |
|---|---|
| 15分後 | 約25~35(%) |
| 30分後 | 約35~45(%) |
| 60分後 | 約50~65(%) |
15分後の排泄率が10%以下では重症腎障害が疑われます。
PSP試験が低値の場合
PSPの排泄が低下している場合には、腎尿細管機能の低下が示唆されます。
腎不全や尿細管障害(糖尿病性腎症、慢性腎炎など)でも低下し、以下のことに注意が必要です。
- 進行した腎炎
- ネフローゼ症候群
- 腎臓のうっ血
- 高血圧症
- 腎盂腎炎
- 膀胱炎






