ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)|基準値

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ProGRP(プロジージーアールピー、ガストリン放出ペプチド前駆体)は、肺小細胞癌の診断や治療効果の判定、再発の早期発見に用いられる腫瘍マーカーです。

肺小細胞癌の細胞が増殖するとProGRPが大量に生成され血中に放出されるため、その値を測定することで病気の有無や進行状況を判断する材料となります。

ただし、腎疾患や小児などで高値を示すことがあるため、ProGRPの検査結果だけで病気を断定せず、他の検査結果と合わせて総合的に判断することが重要です。

ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)の基準値

46.0(pg/mL)未満


参考図書


目次

ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)の概要

ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)は、肺小細胞の生物学的特性の研究から開発された肺小細胞癌に特異的な腫瘍マーカーで、肺小細胞癌の診断補助、および治療効果の判定に用いられます。

ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)は、従来、肺小細胞癌に用いられてきたNSE(神経特異エノラーゼ)と比較すると、肺小細胞癌に対して特異的で信頼性が高く、臨床的に有用な腫瘍マーカーです。

クレアチニン値が1.6(mg/dL)以上の腎不全患者例では、腎クリアランスの低下によって、高ProGRP血症を示すことがあります。

SCC抗原、SLX、NSEと併用することによって、肺癌の組織型の推定が可能になります。

ProGRP高値の場合には、画像診断、内視鏡検査などで精査し、細胞診検査、病理検査などで診断を確定します。

略称

ProGRP:pro gastrin releasing peptide
ガストリン放出ペプチド前駆体

ProGRPの主な特徴

肺小細胞癌の特異的なマーカー

小細胞肺癌で高く測定されることが多い腫瘍マーカーです。

比較的早期から上昇

同じく肺小細胞癌のマーカーであるNSE(神経特異エノラーゼ)と比較して、比較的早い段階から血中濃度が上昇する傾向があります。

治療効果や再発のモニタリング

肺小細胞癌の治療効果の判定や、治療後の再発の早期発見にも利用されます。

ProGRP検査の影響要因

腎機能障害

腎機能が低下していると、ProGRPが体内で処理されにくくなり高値を示すことがあります。

小児

特に4歳未満の小児では、健常でもProGRPが高値を示す傾向があるため注意が必要です。

肺疾患

肺の病気によっては、ProGRPが誤って高値を示す場合もあります。

ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)が高値の場合

ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)が高値の場合には、以下のことが考えられます。

  • 肺癌
     ・小細胞癌
     ・大細胞癌(大細胞神経内分泌癌)
  • 腎不全
  • 胸膜炎
  • 間質性肺炎

その他の腫瘍マーカー

各種臓器の癌腫瘍マーカー
肺癌腺癌SLX
CEA(癌胎児性抗原)
扁平上皮癌SCC
CYFRA(シフラ)
小細胞癌NSE
ProGRP
食道癌SCC
CYFRA(シフラ)
肝臓癌AFP
PIVKA-Ⅱ
乳癌CA15-3
CEA(癌胎児性抗原)
胆嚢・膵臓癌CEA(癌胎児性抗原)
CA19-9
・CA-50
・DUPAN-2
・Span-1
胃・大腸癌CEA(癌胎児性抗原)
・STN(シアリルTn抗原)
前立腺癌PSA(前立腺特異抗原)
卵巣癌CA125
・CA130
・CA72-4
絨毛癌HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

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