NSE（神経特異エノラーゼ）｜基準値

神経特異エノラーゼ（NSE）は、神経組織や神経内分泌細胞に存在する解糖系酵素で、肺小細胞癌や神経芽細胞腫などの神経内分泌腫瘍における腫瘍マーカーとして用いられます。

診断だけでなく、治療効果の判定や再発の早期発見にも活用されますが、溶血や腎障害などでも値が上昇するため、結果の解釈には注意が必要です。

NSE（神経特異エノラーゼ）の定義

NSEは、神経組織および神経内分泌細胞に存在するエノラーゼであり、腫瘍マーカーの一つです。

NSEは、神経内分泌腫瘍、神経芽細胞腫、肺小細胞癌などの腫瘍マーカーに用いられていましたが、最近ではその他の腫瘍にもNSEの存在が知られるようになったため、神経芽細胞腫、肺小細胞癌などの治療の効果判定、再発などのモニタリングとして使用されています。

SCC抗原とSLXを併用することによって、肺癌の組織型の推定が可能です。

神経内分泌腫瘍の多くはホルモン産生腫瘍で、NSEと同時に臓器関連ホルモンを測定します。

略称

NSE（neuron-specific enolase）
神経特異エノラーゼ

NSE（神経特異エノラーゼ）が高値の場合

NSE（神経特異エノラーゼ）が高値の場合には、以下のことが考えられます。

• 神経芽細胞腫
• 肺小細胞癌
• 神経内分泌腫瘍
  （インスリノーマ、グルカゴノーマ、褐色細胞腫など）　　
• 消化器癌
• 乳癌、卵巣癌

その他の腫瘍マーカー

各種臓器の癌		腫瘍マーカー
肺癌	腺癌	・SLX ・CEA（癌胎児性抗原）
	扁平上皮癌	・SCC ・CYFRA（シフラ）
	小細胞癌	・NSE ・ProGRP
食道癌		・SCC ・CYFRA（シフラ）
肝臓癌		・AFP ・PIVKA-Ⅱ
乳癌		・CA15-3 ・CEA（癌胎児性抗原）
胆嚢・膵臓癌		・CEA（癌胎児性抗原） ・CA19-9 ・CA-50 ・DUPAN-2 ・Span-1
胃・大腸癌		・CEA（癌胎児性抗原） ・STN（シアリルTn抗原）
前立腺癌		・PSA（前立腺特異抗原）
卵巣癌		・CA125 ・CA130 ・CA72-4
絨毛癌		・HCG（ヒト絨毛性ゴナドトロピン）