寄生虫卵検査は、便や肛門の粘液などを採取し、寄生虫の卵や幼虫、成虫の有無を顕微鏡で確認する検査です。
主な検査法には、便を直接顕微鏡で見る「直接塗抹法」や、試薬で虫卵を集中させる「集卵法」、肛門にテープを貼って卵を採取する「ぎょう虫卵検査」があります。
より的確な診断のためには、病歴や海外渡航歴を伝えることが重要です。
寄生虫卵検査の基準値
虫卵(-)
目次
寄生虫卵検査の概要
便中の寄生虫卵を検出する検査です。
検出方法は以下の表の通りです。
目的に合った検出方法を選択すると、虫卵の検出率の上昇が望めます。
| 検査法 | 寄生虫卵 |
|---|---|
| 直接塗抹法 | 回虫卵 |
| 浮遊法 | 鉤虫卵 東洋毛様線虫卵(比重の低い虫卵) |
| 沈殿法 | 吸虫卵 鞭虫卵(比重の高い虫卵) |
| セロファンテープ法 | 蟯虫卵 無鉤条虫卵 有鉤条虫卵 |
糞便検査(直接塗抹法・集卵法)
直接塗抹法
便の一部をスライドガラスに塗布し、顕微鏡で観察します。回虫卵など産卵数の多い虫卵の検出に適しています。
集卵法
試薬を使って虫卵を濃縮し、より少ない虫卵でも検出できるようにします。鉤虫卵や鞭虫卵、吸虫卵など、産卵数の少ない寄生虫の検出に有効です。
ぎょう虫卵検査
粘着性のあるテープを肛門に貼り付け、付着したぎょう虫卵を採取して顕微鏡で確認します。
夜中に肛門周辺に卵を産む習性があるため、朝一番、トイレに行く前に採取するのが効果的です。






