ヘリコバクター・ピロリ菌の検査では、血液検査の基準値が重要で、3.0U/mL未満は陰性(未感染)、10.0U/mL以上は陽性(感染)と判定されることが多いです。
ただし、3.0~9.9U/mLの「陰性高値」は、過去の感染の可能性があり、胃がんリスクが高い状態とされるため、医師による詳しい検査(要精査)が必要です。
検査方法によって基準値や判定が異なるため、検査を受けた医療機関の指示に従いましょう。
ヘリコバクター・ピロリ菌の基準値
3.0 U/mL未満(陰性)
3.0~9.9 U/mL(陰性高値)
10.0 U/mL以上(陽性)
目次
ヘリコバクター・ピロリ菌の概要
ヘリコバクター・ピロリ菌は、グラム陰性桿菌の一種です。
アンモニアを分解することにより、胃酸の存在する胃粘膜にも存在でき、胃・十二指腸潰瘍やリンパ腫の一型である胃MALTリンパ腫などの発生に関与します。
略称
ヘリコバクター・ピロリ菌
Helicobacter pylori
具体的な判定基準
| 3.0 U/mL未満 (陰性) | ピロリ菌に感染していない可能性が高い |
| 3.0~9.9 U/mL (陰性高値) | ピロリ菌に過去に感染したことがある(既感染) または現在感染している可能性があり、胃がんリスクが高い状態 |
| 10.0 U/mL以上 (陽性) | ピロリ菌に感染している可能性が高い |
なぜ基準値が重要なのか?
胃がんリスクの把握
ピロリ菌に感染している人や過去に感染したことがある人は、胃がんになりやすいとされています。特に、3.0~9.9U/mLの値を示す人は、感染により胃の粘膜がすでに変化している可能性があり、定期的な内視鏡検査が必要です。
検査方法による違い
ピロリ菌抗体検査は、検査機関や検査方法(EIA法など)によってカットオフ値(判定基準)が異なることがあります。
検査法
- 培養法による菌の検出と薬剤感受性試験
- 胃生検材料よりの検鏡法
- 迅速ウレアーゼ試験
- 13C尿素呼気試験
- ヘリコバクター・ピロリ菌抗体検査
- 便中ヘリコバクター・ピロリ菌抗原検査






