B型肝炎ウイルス(HBV)|基準値

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B型肝炎ウイルス(HBV)とは、血液や体液を介して感染し、肝臓に炎症を引き起こすウイルスです。

感染時期や免疫状態により、感染が一時的に終わる「一過性感染」と、生涯にわたり持続する「持続感染(キャリア)」に分けられ、持続感染は慢性肝炎、肝硬変、肝がんへ進行するリスクがあります。

感染経路には母子感染や性交渉、医療行為、生活用品の共有などがあり、予防策としてワクチン接種や性感染予防、器具の使い回しを避けることが重要です。

B型肝炎ウイルス(HBV)の基準値

HBs抗原: 陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)

HBs抗体: 陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)

HBe抗原: 陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)

HBe抗体: 陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)

HBc抗体: 陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)

HBV-DNA量:
 2.6(logコピー/mL)未満(PCR法)
 3.7(LGE/mL)未満(TMA法)


参考図書


目次

B型肝炎ウイルス(HBV)の概要

B型肝炎ウイルス(HBV)検査には、HBs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体、HBc抗体、HBV-DNA量に対する検査があります。

B型肝炎ウイルスに感染しているかいないか、抗原と抗体の状況から感染の程度や肝炎発症の状況を判断する検査になります。

一般臨床におけるB型肝炎ウイルスのスクリーニングは、HBs抗原を検査することから始まります。

陽性の場合には、肝機能検査(AST、ALTなど)、HBe抗原、HBe抗体、HBV-DNA量測定を行い、インターフェロン(INF)療法、抗ウイルス療法などの治療の選択を行います。

B型肝炎ウイルス(HBV)とは?

B型肝炎ウイルス(HBV)は、DNAウイルスの一種であり、直径42nmのウイルス粒子がエンベロープに包まれています。

HBVに感染することで、肝臓の細胞が壊れ、肝臓の働きが悪くなり、肝炎が起こります。

感染経路

  • 母子感染(垂直感染): HBV陽性の母親から子どもへの感染。
  • 性的接触: HBVに感染している人との性交渉によって感染します。
  • 血液や体液を介した経路
    • 輸血や注射針の使い回しなど、不適切な医療行為。
    • カミソリ、歯ブラシ、ピアスなど、個人の持ち物を共有すること。

HBV検査の進め方


HBs抗原を検査

⇩⇩  陽性  ⇩⇩

(精査)
HBe抗原、HBe抗体、HBV-DNA量


⇩⇩⇩⇩⇩⇩

(治療の選択)
インターフェロン(INF)療法、抗ウイルス療法、経過観察


⇩⇩⇩⇩⇩⇩

(治療中経過観察)
HBe抗原、HBe抗体、HBV-DNA量、肝機能検査(AST、ALTなど)

B型肝炎ウイルス(HBV)が高値の場合

B型肝炎ウイルス(HBV)が高値の場合には、以下のことが考えられます。

高値
HBs抗原・スクリーニング検査
・現在B型肝炎に感染していることを示す
HBs抗体・HBVに感染し治癒後、抗体があることを示す
・HBワクチン接種により抗体を獲得した場合
HBe抗原・HBVの体内での増殖が活発
・血中HBV量が多く感染力が強い
・慢性肝炎では、活動期を示す
HBe抗体・HBVの増殖力低下(肝炎鎮静化)
・血中HBV量が少なく感染力が弱い
・慢性肝炎では、非活動期を示す
HBc抗体・感染早期から出現し、長期間持続するHBc抗原に対する抗体
 高抗体価: HBV感染状態
 低抗体価: HBVの過去の感染
HBV-DNA量・血中HBV量を示す
・病勢や治療効果の判定

参考図書

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