喀痰・咽頭分泌物などの気道由来の検体による検査は、おもに呼吸器感染症の病原菌を検出するための検査になります。
呼吸器感染症は、上気道感染症と下気道感染症に大きく分けられます。
目次
喀痰・咽頭分泌物の細菌検査の概要
上気道感染症と下気道感染症
上気道とは「口腔、鼻腔、咽頭、扁桃、喉頭からなる気管より上部の気腔」を指し、下気道とは「気管から気管支を経て肺内に入り肺胞までの気腔」を指します。
| 上気道感染症 | 下気道感染症 |
|---|---|
| ・咽頭炎 ・喉頭炎 ・扁桃炎 | ・気管支炎 ・肺炎 |
喀痰・咽頭分泌物の細菌検査における検体
喀痰・咽頭分泌物の細菌検査を行うときの検体は以下のものになります。
| 上気道に由来する検体 | 下気道に由来する検体 |
|---|---|
| ・咽頭分泌物 ・鼻腔分泌物 など | ・喀痰 ・経気管吸引法(TTA:transtracheal aspiration) ・気管支鏡を用いた採痰 ・経皮肺吸引法 など |
おもな病原体
喀痰・咽頭分泌物の細菌検査におけるおもな病原体は、以下のものになります。
| 上気道における主な病原菌 | 下気道における主な病原菌 |
|---|---|
| ・A群連鎖球菌 ・肺炎球菌 ・黄色ブドウ球菌(MRSA) ・インフルエンザ菌 ・ジフテリア菌 ・百日咳菌 ・骨膜炎菌 ・カンジダ ・ウイルス(インフルエンザウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルスなど) | ・左記、上気道病原菌 ・結核菌 ・非定型抗酸菌 ・マイコプラズマ菌 ・大腸菌 ・緑膿菌 ・嫌気性菌 ・真菌 ・ウイルス(インフルエンザ、サイトメガロウイルス) |






