CA125｜基準値

CA125（シーエーひゃくにじゅうご）は、主に卵巣がんや子宮内膜症の補助診断や治療効果の判定、経過観察に用いられる腫瘍マーカーです。

卵巣がんで約80%が陽性となり、子宮内膜症でも半数以上で陽性を示すことがあります。

ただし、エストロゲンの影響で月経時や妊娠初期にも上昇し、閉経後は低下する特性があるため、検査時期に注意が必要です。

CA125の数値が高い場合は、卵巣がんや子宮内膜症の可能性に加え、月経周期や妊娠などを考慮した上で、CT検査やMRI検査などの追加検査で病気の特定が必要です。

CA125の概要

CA125は、卵巣の漿液性嚢胞腺癌の培養細胞を抗原として作られたモノクローナル抗体（OC125）が認識する抗体です。

CA125は、胎生期の体腔上皮に存在する糖蛋白と関連性があると言われていて、上皮性卵巣癌患者の血中に高濃度、高頻度に存在することから、卵巣癌の腫瘍マーカーとされています。

卵巣癌を疑うときや、卵巣癌の再発予知、および経過観察などのために検査します。

癌を疑うときには、X線、CT、超音波検査、病理組織検査、細胞診検査などで確認します。

CA125は粘液性嚢胞腺癌での陽性率は低い。CA54/61は粘液性嚢胞腺癌での陽性率が高く、早期での陽性率が高いと言われています。

そのため、これらの複数の腫瘍マーカーを検査することによって、卵巣癌の検出率が高くなります。

CA125が陽性の場合

CA125が陽性の場合には、以下のことが考えられます。

高度	中等度	軽度
・卵巣癌（漿液性嚢胞腺癌では高値・高頻度）	・子宮体癌 ・膵臓癌 ・肝細胞癌 ・乳癌 ・胃癌 ・肺癌 ・子宮腺筋腫 ・子宮内膜症 ・良性卵巣腫瘍	・胸膜炎 ・腹膜炎

※月経時、および妊娠初期でも基準値を超えることがある。

その他の腫瘍マーカー

各種臓器の癌		腫瘍マーカー
肺癌	腺癌	・SLX ・CEA（癌胎児性抗原）
	扁平上皮癌	・SCC ・CYFRA（シフラ）
	小細胞癌	・NSE ・ProGRP
食道癌		・SCC ・CYFRA（シフラ）
肝臓癌		・AFP ・PIVKA-Ⅱ
乳癌		・CA15-3 ・CEA（癌胎児性抗原）
胆嚢・膵臓癌		・CEA（癌胎児性抗原） ・CA19-9 ・CA-50 ・DUPAN-2 ・Span-1
胃・大腸癌		・CEA（癌胎児性抗原） ・STN（シアリルTn抗原）
前立腺癌		・PSA（前立腺特異抗原）
卵巣癌		・CA125 ・CA130 ・CA72-4
絨毛癌		・HCG（ヒト絨毛性ゴナドトロピン）