C3は血中に最も多く存在する補体(免疫システムの一部である血漿タンパク質)の第3成分、C4はその第4成分で、主に肝臓で産生されます。
これらは細菌侵入などへの感染防御に重要な役割を果たし、その濃度は血清検査で測定され、特定の疾患の診断や病態の把握に用いられます。
C3(補体第3成分)、C4(補体第4成分)の基準値
C3: 80~140(mg/dL)(免疫比濁法)
C4: 11~34(mg/dL)(免疫比濁法)
目次
C3(補体第3成分)、C4(補体第4成分)の概要
C3(補体第3成分)およびC4(補体第4成分)は血漿蛋白の1つで、肝細胞で産生され、細菌などの感染防御に重要な役割を果たしています。
C3(補体第3成分)は、古典経路と第2経路のどちらが活性化されても消費されて低値になります。
C4(補体第4成分)は、古典経路の活性化が盛んな場合に低値を示します。
| C4が低値の場合 | 古典経路の活性化 |
| C3が低値、C4が正常の場合 | 第2経路の活性化 |
古典経路
血中に抗原抗体結合物が発生すると、補体成分のC1~C9が活性され、補体結合反応を生じる経路
第2経路
酵母細胞壁多糖類(ザイモザン)、菌内毒素、イヌリンなどにより補体系が活性化されて、C3から始まる補体活性化反応が進行する経路
CH50、C3、C4などをセットで測定することによって、補体異常のある疾患(SLE、急性糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎など)のスクリーニング検査、および経過観察を行います。
C3(補体第3成分)
補体の中で最も濃度が高く、細菌感染時の防御に中心的な役割を果たします。
電気泳動で特定の位置を移動することから、β1C/β1Aグロブリンとも呼ばれます。
C4(補体第4成分)
補体の古典経路において、活性化されたC1の機能を次の段階(C3)へ伝える重要な役割を担います。
C3に次いで血中に多く含まれる補体成分であり、β1Eグロブリンとも称されます。
C3(補体第3成分)、C4(補体第4成分)の異常とその原因
| C3、C4が高値の場合 | C3、C4が低値の場合 |
|---|---|
| ・急性感染症 ・炎症性疾患 ・悪性腫瘍 | C3 ・急性糸球体腎炎 ・膜性増殖性糸球体腎炎 ・C3欠損症 ・全身性エリテマトーデス(SLE) ・慢性肝炎 ・肝硬変 ・悪性関節リウマチ C4 ・遺伝性血管神経性浮腫(HANE) ・C4欠損症 ・全身性エリテマトーデス(SLE) ・慢性肝炎 ・肝硬変 ・悪性関節リウマチ ・播種性血管内凝固症候群(DIC) |






