Cペプチド(CPR)は、インスリンの前駆体であるプロインスリンが膵臓β細胞でインスリンと分離される際に生成される物質で、インスリン分泌能の指標となります。
Cペプチドの測定は、インスリンを投与している患者の内因性インスリン分泌量を評価したり、インスリン抗体が存在してインスリン測定が難しい場合に有効です。
腎機能障害があると血中値は高めに、尿中値は低めになる傾向があるため、腎機能を考慮した解釈が必要です。
C-ペプチドの基準値
血清C-ペプチド: 0.5~2.0 ng/mL
尿中C-ペプチド排泄量(UCPR): 20~200 µg/day
目次
C-ペプチドの概要
C-ペプチドは、膵臓のβ細胞でインスリンが作られて血中に分泌される際に、インスリンと同じ比率で分泌される物質で、体内で分解されずに尿中に排泄されます。
そのため、体内のインスリン分泌量を評価する重要な指標となります。
C-ペプチドの生成
インスリンは、膵臓のβ細胞でプロインスリンとして合成されます。
合成されたプロインスリンは、インスリン(A鎖+B鎖)とC-ペプチドに分解されて活性化されます。
このとき、C-ペプチドはインスリンと等モル量で分泌されて血液中を循環します。
C-ペプチドの役割
① インスリン分泌の指標
インスリンはその一部が肝臓で分解されるため、血中インスリン濃度は変動しやすくなります。
それに比べて、C-ペプチドは肝臓ではなく腎臓で代謝されるため、血中半減期が長く(約30分)、より安定して測定することが可能です。
そのため、血中のC-ペプチド濃度を測定することで、膵β細胞のインスリン分泌能を推定することができます。
② 糖尿病の診断と管理
| 1型糖尿病 | C-ペプチド値が低下(β細胞の機能が低いため) |
| 2型糖尿病 | C-ペプチド値が正常~高値(インスリン抵抗性のため分泌が増えることがある) |
インスリン自己注射の判別
外因性インスリン(注射されたもの)にはC-ペプチドが含まれないため、注射によるインスリン過剰の場合、C-ペプチド値は低下する。
③ インスリノーマ(膵島細胞腫瘍)の診断
インスリノーマでは、C-ペプチドとインスリンの両方が高値になります。
C-ペプチドの測定方法
- 血中C-ペプチド(血清または血漿)
- 尿中C-ペプチド排泄量(UCPR)(インスリン分泌の長期的な指標)
C-ペプチドの基準値
| 項目 | 基準値 |
|---|---|
| 血清C-ペプチド | 0.5~2.0 ng/mL |
| 尿中C-ペプチド排泄量(UCPR) | 20~200 µg/day |
C-ペプチドの異常値と症状
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| ・インスリノーマ ・インスリン抗体の存在 ・インスリン自己免疫症候群 ・クッシング症候群 ・ステロイド投与 ・先端巨大症 | ・糖尿病 ・膵疾患に続発する糖尿病 ・副腎機能不全 ・下垂体機能不全 ・腎不全(尿中のみ低値) |






