おもな分離菌の種類｜基準値

分離菌とは、臨床検体（血液・尿・喀痰・髄液など）から培養によって分離・同定された微生物を指します。

これは「その部位における感染症の原因菌（起炎菌）かどうか」を判断するための材料になります。

おもな分離菌の概要

分離菌とは？

分離菌とは、患者から採取した臨床検体を培養し、発育してきた菌（細菌・真菌など）のことです。

分離菌の種類

① 血液培養からの分離菌

• 黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus)
• コアグラーゼ陰性ブドウ球菌（皮膚常在菌、しばしばコンタミ）
• レンサ球菌群（肺炎球菌、溶連菌など）
• 大腸菌、クレブシエラ属、腸内細菌科菌
• 緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa)
• カンジダ属（真菌）

② 髄液からの分離菌

• 肺炎球菌 (Streptococcus pneumoniae)
• 髄膜炎菌 (Neisseria meningitidis)
• 大腸菌、B群溶連菌（新生児）
• リステリア (Listeria monocytogenes)（高齢者・免疫不全者）
• クリプトコッカス、結核菌（免疫抑制患者）

③ 尿からの分離菌

• 大腸菌 (Escherichia coli)
• クレブシエラ属
• 腸球菌 (Enterococcus spp.)
• 緑膿菌

④ 呼吸器（喀痰）からの分離菌

• 肺炎球菌
• インフルエンザ菌 (Haemophilus influenzae)
• モラクセラ (Moraxella catarrhalis)
• 黄色ブドウ球菌
• 緑膿菌（基礎疾患ありの場合）

⑤ 胸水からの分離菌

• ブドウ球菌
• 連鎖球菌
• インフルエンザ菌
• 嫌気性菌

⑥ 腹水からの分離菌

• 大腸菌
• 腸球菌
• 嫌気性菌