抗核抗体(ANA)とは、自分の細胞の核に含まれる成分(タンパク質など)を攻撃する自己抗体の総称で、膠原病などの自己免疫疾患のスクリーニング検査として用いられます。
ANA検査が陽性であっても、必ずしも疾患があるとは限らず、陽性の場合には、より具体的な検査で特定の自己抗体を特定する必要があります。
抗核抗体(ANA)の基準値
陰性(40倍以下) IFA(間接蛍光抗体)法
目次
抗核抗体(ANA)の概要
抗核抗体(ANA)は、膠原病などで検出される細胞核成分と反応する自己抗体で、特に膠原病などで高値を示します。
細胞核は種々の成分からなり、個々の核成分に対する抗体(抗DNA抗体、抗RNP抗体など)が存在します。
抗核抗体が陽性の場合には、個々の核成分に対する抗体や疾患特異的抗核抗体を調べることで、ある程度、疾患を絞ることができます。
非膠原病や健常者でも陽性になることがあり、他の検査初見や臨床症状なども加味して総合的に診断します。免疫複合体、補体活性(CH50)、補体蛋白(C3、C4)などの検査を行います。
略称
抗核抗体
ANA:anti nuclear antibody
抗核抗体(ANA)が高値の場合
抗核抗体(ANA)が高値の場合には、以下のことが考えられます。
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- 進行性全身性強皮症(PSS)
- 混合性結合組織病(MCTD)
- シェーグレン症候群
- 多発性筋炎
- 皮膚筋炎
- 重複症候群
※自己免疫性疾患でも陽性になります。
| 疾患と各種抗核抗体 | |
|---|---|
| 全身性エリテマトーデス | 抗DNA抗体、抗Sm抗体 |
| 混合性結合組織病 | 抗ENA抗体、抗RNP抗体 |
| シェーグレン症候群 | 抗SS-A抗体、抗SS-B抗体 |
| 進行性全身性強皮症 | 抗Scl-70抗体 |
| 多発性筋炎、皮膚筋炎 | 抗Jo-1抗体 |






